泉里農園ブログ22,11,28号配信致しました!🌞よろしくお願いいたします(^.^)


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☀泉里農園ブログ🌻22.011,28号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  


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↑発芽成功!麦(大麦)

作物の栽培は、いくつかの山(課題)をクリアしていかねば収穫に至りません。
まず、第一ハードルは発芽率80%以上の達成。 そんなの当たり前じゃないの? と農業をやったことのない方は思われるかもしれません。


F1、 ハイブリッド種子などはほぼ当たり前に発芽するのでしょうが、 購入した在来種はそうでもありません。 ときどき発芽率が極端に悪いことがあります。 自家種でもカビが知らぬ間に生えたりすると発芽しません。


麦の場合、第二ハードルは、発芽後、若葉を食べに来る鹿。 これをクリアできたら、次は雑草対策、 そして収穫間近に実を食べに来る鳥、そして異常気象など。 これからいくつものハードルを越えて行かねばなりません。


麦は土壌改良の効果があるとされ、緑肥として使えますし、 麦ワラは野菜の栽培に使ったり、 実もたくさん採れたら活用できます。

                                                        (南部農場)

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『11月の畑,』
11月は、気温は高めでしたが、雨がほとんどなく、 カラカラとなり、全国でも記録的な雨なしとなったようです。 このため秋、冬野菜の生育にかなり悪影響となっていました。 でも先週からやっとまとまった雨が降ってくれてピンチを脱出、 本当に助かりました。 これでなんとか収穫への道がつながりました。


しかしこの雨なしで山の食べ物がなくなって降りてきたと考えられますが、 鹿がやって来て大豆を全部100%、小豆は90% 以上食べられてしまいました。


こんなこと初めてのことです。 鹿が大豆の若葉を食べることは知っていましたが、まさか実(豆) まで、そして古い枯れたような葉まで、 茎だけ残して全部食べてしまったのです。


まさか豆や、古い葉まで食べるとは・・・
これには驚きました。雨が降らないために山に食べ物がなく、 よほどお腹がすいていたということでしょうか? これで大豆は来年の種の分すら確保できなくなり、 かなりの損害です。


異常気象はモーレツ豪雨、台風、異常高温多湿、 干ばつの直接的被害だけでなく、 間接的に鳥獣の被害も受けることを痛いほど知らしめられた感じ です。


こうなると来年から大豆、 小豆の栽培はどうしたらいいのか?
これで来年から緑肥として大豆を使うことも難しくなりました。今後、 鹿の食べない緑肥に変えるしかありません。


でも、来年は山に鹿の食べ物が潤沢で人家に降りて来ないかもしれません が、異常気象は年々ひどくなっているし、 一度ひどい体験をしてしまうとトラウマとなりますから、 これまでにない対策をしなければならなりません。


実は、鳥獣害にやられたのは大豆、小豆だけではありません。 落花生はカラスに99%、陸稲は雀にほぼ100% 食べられてしまいました。


野生動物も必死なんでしょうが、人間も同じなんですけど。
野生動物は穀物が好物なのですが、ほとんど みんな食べられてしまうとかなりきついです。


でも異常気象の原因は人間ですから野生動物を責めることはできま せん。


来年はどのようにして野生動物から農作物を守るのか?やるだけのことやってもまた全部食べられてしまうなら作らない方が良いとなりますが、結論は来年以降、とりあえずまた挑戦致します。


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↑鹿に茎を残し全部食べられた大豆


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✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

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(2022.1128現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》


★高菜
★わさび菜
★小松菜
パクチー


🥔《根菜、イモ類》
赤かぶ(少)
首大
大蔵大根
★金時ショウガ(少)
★40 近江ショウガ(少)

★たけのこ芋

★里芋
★エビ芋
★さつまいも(なると金時
★さつまいも(紫いも


🍀その他
ハブ茶(少)

 

 

🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》


白菜、人参、水菜、ホウレン草、大和いも

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、大根です。


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↑左は大蔵大根、右は青首大根です。( 新コーナーのサンプルデータ 7の大根)
共に在来種の伝統野菜です。


在来種なのでスが入りやすく、病気になりやすいと言われますが、 今のところぜんぜん大丈夫です。

 

外部からの持ち込み肥料ゼロ、緑肥と雑草と小動物、 微生物が肥料源です。


《料理法》
大蔵大根は、辛味が少なく柔らかく煮物、鍋料理、 漬け物がとくに適します。
生サラダ、大根ステーキも美味です。


首大根は、青い部分は甘く、白い部分は辛いです。 この大根は何でもオーケーの万能大根です。😊

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その7


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年近くの農業経験からはっきりと言えます。

 

なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。
かれこれ農業を始めた頃、30年ほど前の話しです。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物が木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。森林のように畑を肥料生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、野菜、 穀物と当園の畑の雑草、昆虫、ミミズなどの小動物、 微生物の力であり、これを最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料を元に作物を栽培するという農法にな ります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力を最大限に引き出すか、 ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからです)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化にな るまでかなり環境に負担をかけております。


肥料自給率100%なら環境への負担はかなり少なくてすみます。 (SDGsに役立つというのはこの点です。)

 


未知の領域への挑戦なので当然、失敗もあり得るますから、 正直どのような結果となるか、わかりませんが、成功を願い、 生育のデータ、状況、経過、結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ6 人参(自家種50%+購入種50%*8〜9月直まき)


この畑(富士宮農場) での外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培の人参は今年は2年めです。 元肥えは、緑肥として雑草と大豆のみ。


天敵害虫のアゲハ幼虫に所々やられましたが、 なんとかギリギリ生育できてます。人参は初期生育がゆっくりで、 11月頃に生育が活発化するので、 11月が異常低温とならないように願っています。
          (以上、10月号記載)


11月、まさか雨が降らないとは・・・
 人参はセリ科なので水分を欲しがりますので、 生育は停滞状況が続きました。
来月は収穫期なのでどうなるか?
(次回検証は12月号)

 

 


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↑サンプルデータ7 パクチー、高菜、白菜、大根( 自家種は高菜のみ他全て購入在来種*9月直まき)


1つの畑に混合栽培なのでまとめて検証します。
この畑での外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培は人参と同じく今年で 2年めです。
元肥えは、緑肥として雑草と大豆のみです。

(以上、10月号記載)


11月は気温は高かったのですが、 雨がほとんどなく全体的に生育が遅れていますが、パクチー、 高菜、大根は収穫に入りました。 生育状況は雨がなかったせいかパクチーの発芽率が50% ほどでしたが、発芽した株はしっかり生育しています。


大根、高菜は100点満点です。


あとは白菜しっかり結球できるかどうか?です。


(次回検証は12月号)

 

 


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↑サンプルデータ8 ホウレン草(赤根*10月直まき)


一般的なホウレン草の栽培は、 多くの肥料が投入されているようです。 それはホウレン草が肥料食いだからです。
そんなホウレン草栽培に栽培畑で育てた緑肥と雑草、 栽培畑に生育する小動物のみの外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培で
しっかりしたホウレン草ができるのか?


これが成功すれば大きな成果となります。 これから5年間の検証に入ります。


ここの畑は土壌分析によると元々肥沃な状態ではありません。 なのでマイナスからのスタートですから、 かなり厳しいかもしれません。


元肥えは、前作は大豆とカボチャの混作で、 その前はヘアリーベッチを栽培していたので、これが元肥えです。 追肥はなしで行く外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培です。(以上、 10月号記載)

 


ホウレン草も雨なしの影響で生育が遅れていますが、 一部良く生育しています。
来月は収穫期なのでどうなるか?


(次回検証は12月号)

 


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↑サンプルデータ9 キャベツ(富士早生*10月直まき)


元肥えは、大豆と雑草であとは小動物、 微生物たちが援軍に加わってくれます。


草ボーボーですが、この雑草は緑肥として活用します。
キャベツは収穫は来年の5月頃からなので、 これから7ヶ月におよぶ検証スタートです。

(次回検証は12月号)


                            
泉里農園だより 2022,11,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


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