泉里農園ブログ23,08,28号配信致しました🌞よろしくお願いいたします(^-^)


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☀泉里農園ブログ🌻23.08.28号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  


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↑右から(紫)ささげ、赤しそ、ミニトマト
ささげは初栽培。こんなにすごいとはd(⌒ー⌒ )!そのパワーにビックリです。
高さ2mの棚では小さすぎて、あふれんばかりの混雑状況。 その重みで棚は沈みそうです。
                              (富士宮農場)

 

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『8月の畑』―お盆過ぎたのに―
以前はお盆が過ぎると昼間は多少暑くても朝晩は涼しくなるのが当 たり前でしたが、気象庁の3カ月予報では、 9月もこれまでどおりの猛暑が続き、 10月も夏のように暑くなり、 11月も気温が高いと発表しました。


もうこのじめじめ猛暑はいい加減に終わってほしいと願ってました が、あと1〜2ヶ月もそれは先延ばしということらしいです。


そして来年は今年よりもっと暑くなるとのこと。今のところ40℃ を超えた地域はないようですが、 これまでは夏でも涼しかったはずの北海道の各地で観測史上最高の 気温となり、猛暑日と熱帯夜が続きました。 秋田県など東北地方でも観測史上最高の気温を記録しました。


来年、もっと暑くなるということは、 それによって水蒸気がもっと発生するので今年よりもっと雨が降り 、洪水被害も増すことになります。


今年も全国各地で観測史上最大の雨量を観測しており、 鳥取県ではなんと3ヶ月分の雨が1日で降り、 大きな被害となりました。観測史上最大、最高の暑さ、 雨量という表現が今年も何度も何度も報道されました。


この温暖化、異常気象の原因は人間が化石燃料を燃やし、 CO2を多量に排出するからであり、 だから今なら対策すれば収まるが、 遅れると負のスパイラルに陥り制御不能となり、 もう後戻りできなくなると前々から科学者、 研究者が警告しています。

 

制御不能になるということは人類の絶滅と直結します。 年々ひどくなる今の状況、ゆるい対策、 この流れでは必ずそうなると考えておかしくないはずです。


人類は自業自得で絶滅、 というおろかなことになっても本当にそれでいいのでしょうか?


年々エスカレートしている灼熱地獄とモーレツ洪水、 蒸し風呂の世界、巨大台風、干ばつ、山火事と、 異常気象で食料危機が広がり、パニック。 そして社会は崩壊し人類は絶滅する。 このようになって本当にいいのでしょうか?


何もしなければそうなる可能性は増大していきます。


温暖化を止める最も効果的な方法は政府が本気になって温暖化阻止 を主導し、企業、マスコミが積極的に関与するしかありません。


町に出れば車がたくさん走ってますが、 今もあい変わらずほとんどの車がガソリン、 ディーゼル化石燃料によるCO2排出車で、 朝から朝までCO2を出しまくって地球を常に温暖化させておりま す。


これも政府と企業、マスコミが本気になって早くEV車、 エコ車100%移行へエコカー補助金倍増、 ガソリン車製造禁止など義務化させなければ現状を変えることはで きないのです。


他の飛行機、船舶へのEV、エコ化、 一般住宅の太陽光自家発電化の推進、地熱、 風力発電の推進も政府が本気で協力推進しなければ技術開発は早く 進みません。


とにかく一刻も早く政府、企業、マスコミが一体となり、 対策強化を推進、公表していただきたいのです。

 

我々一般市民が温暖化による人類絶滅を未然に防ぐためにできるこ とは、政府、企業、マスコミをチェックしつつ、 温暖化阻止の気運を盛り上げ、広げ、それぞれの立場、 状況でできることをするしかありません。

 


さて畑の状況ですが、今年の夏も日本各地でモーレツ酷暑、 モーレツ豪雨、モーレツ台風、干ばつと大変な夏となりました。 このモーレツ3点組が1つでも畑に及ぼすと農産物は大変な被害を 受けてしまいます。


当圓でも今年は、カボチャ全滅、キュウリ、スイカ、 メロンほぼ全滅、トマト、ナス、 唐辛子不作などの被害が出ております。


これから秋の種まきシーズンとなりますが、 モーレツ猛暑が9月も続くとなると秋〜 冬野菜への悪影響が懸念されます。


例えば、気温が高いと害虫の量が多く、元気なので白菜、小松菜、 かぶ、大根などの害虫にヤられやすい作物への悪影響、 温度が高すぎて発芽しない、 せっかく種を撒いてもモーレツ豪雨で流されるなどです。


でも、こうなってしまってはどうしようもありません。 なったらなったで後戻りできないので諦めなければなりません。


でも、一体どういう過程でそうなってしまったのか?ということ、 現場の状況を農業を消えさせないために分析し配信することも仕事 の一端と考えますので、温暖化、異常気象と人間、農業、 畑の状況に関する記事は引き続き発信させていただく所存です。

 


『土壌分析の結果』

当園は肥料自給率100%をテーマに、 外部からの持ち込み肥料がほぼゼロの栽培、 すなわち持続可能な究極的エコ農法にチャレンジしております。


以前は米ぬか、油かす、大豆かす、カキ殻などを購入して落ち葉、 雑草をまぜ、自家製の発酵肥料を作っておりました。 当時はこのやり方が最善かもしれないと思ってやっていたわけです が、しかし近年、温暖化と異常気象が年々ひどくなるにつれ、 農作物にも被害がだんだん増えるようになってくると、 このやり方でいいのだろうか?


これは本当に環境に優しい持続的な農法と言えるのだろうか? 少なくとも肥料原料を外部から購入している限り、 持続的とは言えないのでは?という疑問が生じてきました。


この解決策は肥料原料をすべて自給にして肥料自給率を100% にするしかないのですが、 でも肥料原料の米ぬかも油かすも大豆かすも全て自給自足なんて現 実的に一農家単体では不可能といえます。


大きな組織の集合体農業ならできるかもしれませんがこれは大プロ ジェクトなので国が積極的に関わる以外無理な話で、 これも現実的ではなく、


かといって何も肥料を与えない無肥料栽培では確かに自給率は10 0%といえますが、これではだんだん土が枯渇し、 やがてろくな作物しかできなくなることはすでに経験済みで、 一体どうしたらいいのだろうか?と混沌としておりました。


そんな時、 大豆を栽培した後に栽培した作物が外部からの持ち込み肥料を与え なくても他の部分より大変良い生育をしたことにびっくり。


これはもしかしたらこのやり方により効果的な緑肥を使い、 雑草やミミズなどの小動物の力を活用させる大自然力農法と合体さ せれば肥料自給率100%いけるかもしれない!


もっと探求すべき!とチャレンジ精神に火がついたようでした。


そもそも大豆などの豆類はその根に共生しようと、 周囲の土壌から集まってくる根粒菌という微生物が豆類に大気の窒 素(肥料)を供給して豆類を生育させ、土を肥やし、 自らも子孫繁栄させようという活動をすることは農業分野ではよく 広く知られていますが、その肥料分は化学肥料、 有機肥料と比べ弱く、これだけでは不十分で、 化学肥料や有機肥料の使用量を少し減らせる程度のものというのが 一般的な常識です。


でも、前述の大豆を栽培した後の作物は、 他に何も肥料を与えなくても、 十分と言えるような生育をしたのです。


もちろん、 化学肥料や有機肥料を与えればもっと大きくなったかもしれません が、与えなくてもそこそこ普通で十分なら、 それでいいのではないか?


それで自然環境を保全できる、 という副産物が生まれることになるのだからそれで申し分はない。


という結論で、これを他のいろいろな作物でも試しつつ、 大豆以外で大豆以上の土を肥やす植物(緑肥) の探求の道に進みました。


肥料になる植物のことを緑肥作物といいます。 有名なのはレンゲやクローバー、ですが、 調べれば他にもへアリーベッチ、クロタラリア、セスバニア、 カウピー、エビス草、カラスノエンドウ、 八升豆などいろいろあります。 これに普通食用で栽培される大豆や小豆も同じような効果があるの でこれに加えます。


豆類以外にも、ソルゴー、スーダングラス、 えん麦などイネ科の作物やヒマワリなどのキク科の緑肥作物もあり ます。

 


緑肥にはそれぞれ特性があり、 大きく春から初夏に種をまく夏栽培と秋に種をまく越冬栽培があり ます。緑肥が大気の窒素(肥料) を吸収する量を窒素固定量といいますが、 これも緑肥作物によって様々です。


化学肥料、有機肥料を使わないなら、 できるだけこの窒素固定量は多い方が良い、 でも持続的農法なら自家採種が100%できなくてはならない。


緑肥作物を栽培するとその農地と栽培期間を占有するのでその分商 品作物の栽培ができなくなっては本末転倒となるのでそうならない ようなやり方(休耕期間の活用、商品作物と混作など) も必要となります。
これを満たしてくれる最良の緑肥作物は一体なんなのか?


探求が始まったのは7年ほど前からです

すが、栽培する全ての作物を外部からの持ち込み肥料がほぼゼロ、 肥料自給率100%栽培に本格的に移行してからは約3年です。


現在、毎年違う緑肥を試み、その特性をチェックしつつ、 当園にベストな緑肥を絞りこんでいます。


この試みを公開し、共有できればと、 本ブログ下部にピックアップした現在11種類の野菜の年ごとの生 育状況を記録しております。


でも生育記録だけでは不十分で科学的な裏付けも必要なので基本的 に年一回の土壌分析を実施し、それを公開することにしました。


😊前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。


分析地点は富士宮農場で1エリア、 南部農場で2エリアの計3地点です。


今回で2回めとなりますが、昨年と比べて土壌はどうなったのか? お伝えいたします。


分析は、作物に必要な元素が畑の土壌にどれだけあり、 その量は作物を育てるのに十分なのか?多すぎるのか? 少ないのか?適正かどうかを提示してくれます。


分析するのは、3大栄養素のN(窒素)、P(リン酸)、K( カリウム)にCa(カルシウム)Mg(マグネシウム)Zn( 亜鉛)Mn×2(マンガン)Bi(ホウ素)Fe(鉄)Cu(銅) とPH(水素イオン濃度)12元素で13種類とCEC陽イオン置換容量)=保肥力(文字通り、肥料元素を保つ力) が加わります。


12元素13種類には適正値があり、 この値は多すぎても少なすぎてもアウトとなります。


結果は2地点は想像以上の良い結果で、
前回(2022年)の結果と比べ、CECが2地点共大幅に向上、 他の13種類は、適正値となった元素が増えています。


富士宮農場A地点は、前回分析で適正値だった元素は 5つ(5/13)でしたが、今回は 7つ(不適正6)と+2ポイント増えました。


南部農場B地点では適正値の元素は
前回 5つ(5/13)から 9つ(不適正3つのみ)と+4ポイント増えました。


一方南部農場A地点では、前回の適正は8つ(8/13) で今回は7つ、CECも減少と後退しました。


ということで2勝1負ということになりました。


後退した南部農場A地点の畑は、緑肥の種類を変えたりしつつ、 改善させなければなりません。


でもまだまだ2回めです。最終的に100%、 13種類全てが適正となれば文句なしですが、 これは外部からの持ち込み肥料を与えていても難しいことのような ので至難の技かもしれません。


いずれにせよまだまだ最終結論まで(あと最低3〜4年) には長い道のりですが、外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培( 肥料自給率100%)成功に向けて取り組んでまいります。


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✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.08,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
★ニラ(少量)
★大葉(少量)
エゴマ
★モロヘイヤ
★赤しそ(少量)


🥒《果菜類
★ゴーヤ
★キュウリ(少量)
★オクラ
★神楽南蛮(少量)
(紫)ささげ

 


🥔《根菜、イモ類》
★金時ショウガ


🍀その他
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
ミニトマト?、ナス?、栗

 

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチはオクラです。


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↑オクラ畑
自家種100%。外部からの持ち込み肥料ゼロ、 肥料自給率100%栽培。
モーレツ猛暑、干ばつ、モーレツ豪雨、モーレツ湿気のこの夏、 元気なのは原産地がアフリカの作物です。 もちろんこのオクラもアフリカ。モロヘイヤ、 ささげもアフリカで皆元気です。


《利用法》

お浸し、ごま和え、炒め物、サラダ、天ぷら、 付け合わせなどいろいろ使えます。

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その16


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

干ばつ状況から一転、台風6, 7号による豪雨で土は潤い元気になったようですが、 雑草が勢いを増しております。 この程度なら収量に大きな影響を与えないと考えます。 収穫はあと1ヶ月半後なので今は葉の成長より芋の肥大にエネルギ ーが注がれています。

 

 

 


(以下は7月号の記載)
葉や茎の充実具合で、芋のでき、不できが予測できますが、 7月の時点でこれだけ充実していれば、 収穫は合格点だった昨年レベル以上は期待できます。


ただ、里芋は干ばつに弱いので、あとは天気次第です。 ここ最近まとまった雨がないので、少し気がかりです。
(次号で検証します)

 


(以下は6月号に記載)
里芋の葉がしっかりしてきました。 先日株間の緑肥クローバーと雑草をすき込んで土寄せしました。 これが追肥となります。あともう一度か二度、 周囲の雑草がいっぱいになったら刈り取り敷き草にしたら収穫を待 つだけとなります。


里芋も葉や茎の太さがしっかりするほど大きなお芋がたくさんでき ます。 これからがその成長期なのであとは地力次第ということになります 。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)

里芋が頭をしました。とりあえず第一関門クリア。
里芋と里芋の間に緑肥クローバーをまきましたが雑草もかなり生え てきました。
やがてすき込んで追肥にし、その後別の緑肥をまく予定です。


作物を栽培しながら土を肥やすことがこの農法の基本となります。

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。

 

 


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

ショウガも里芋と同様に乾燥に弱く、水分を好みますので、 梅雨明け後の雨なしで枯れそうだったのが台風6, 7号のモーレツ豪雨で復活しましたが、 雑草メヒシバがそれ以上に元気になって、 発芽率の悪かった南部農場のショウガは完全に飲まれてしまい生育 不良となり、もはやどうしようもない状況です。


写真は富士宮農場のショウガですが、 こちらの方はショウガの品種が2種類で(南部農場は1種類) 発芽率が高かったので草取りも優先したせいか、 なんとかメヒシバに飲まれるまでには至らず、 際立った生育不良はないようです。


メヒシバは霜が降りる頃まで畑に君臨するので、 まだまだ暴れまくることになります。 農作物が飲まないようにメヒシバ刈りが続きます。

 

 


(以下は7月号に記載)
ショウガは南部農場と富士宮農場で栽培しております。 今回は富士宮農場のようすです。富士宮農場は、 金時ショウガと近江ショウガの2種類、 南部農場は近江ショウガのみです。


両農場共に近江ショウガの発芽率が60〜70% ほどであまり良くありません。これは、 もともとの種ショウガの品質が良くなかったか、 植え付け後に傷んでしまったかですが、 この近江ショウガは毎年こんな状況となっています。 発芽率100%にするには、どうしたら良いのか? 模索しております。


ショウガとショウガの間に緑肥エビス草を栽培していますが、 ショウガをおおってしまう前に刈り取り、追肥にします。
(次号で検証します)

 

 


(以下は6月号に記載)
4〜5割ほどが発芽しております。( 夏の最強クラスの雑草メヒシバと葉が似ているので分かりずらいで すが)
発芽したところの雑草を取り、 きれいにしたら周囲の雑草を天日干しで枯らしたものを敷いてまた 生えてくる雑草を防ぐと共に、乾燥も防ぎ、 追肥としても活用します。
来月になっても発芽しなければこれは種ショウガ自体に問題があっ た可能性が高いです。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)
ショウガはなかなか芽を出しませんので、 その間にメヒシバなど雑草がたくさん出て来て、 このままでは畑を占拠されてしまうのでひどくなる前に土寄せして 雑草を除去しました。株間には緑肥エビス草をまきました。
(次号で検証します)

 

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。

 

 


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↑サンプルデータ4 キュウリ(自家種100%*4月種まき、5月定植)
7〜8月にかけての雨なしと異常な猛暑の後、お盆前には台風6, 7号によるモーレツ豪雨、 異常な湿気のせいか病気にかかり枯れ出しました。 実は結局ほとんど取れませんでした。 こんなに取れなかったことはなかったかもしれません。


地這いなのにネット栽培したこともよくなかったかも? 次に種まきしたのは、地這い方式で栽培しました。(下部写真) こちらは病気にかかりませんでしたが、 ツルは十分延びているのに実がまったくできません。


気がつくと、受粉をしてくれるミツバチがほとんど飛んでません。 滝のようなモーレツ豪雨と湿気でミツバチもやられてしまったよう です。


ゴーヤもミツバチ等のおかげで実ができますが、台風6, 7号のモーレツ豪雨の後、パタッと実ができなくなりました。


今後、天気が安定したら復活するのか、どうなのか?たぶん、 またモーレツ豪雨きたら今年のキュウリ、おしまいです。


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↑本来の地這い方式


(以下は7月号に記載)
実がなり始めました。 キュウリは時期を1ヶ月ほどずらしながら4回に分けて種まきをし ております。今収穫が始まっているのは第一回のもの(4月まき) です。これから本番になりますが、 問題はどれだけ実が収穫できるか?です。


これが合格か不合格かの判断基準となります。
(次号で検証します)

 


(以下は6月号に記載)
昨年は、地這い式栽培でしたが、今年は支柱式栽培にしました。 支柱式のメリットは場所を取らない、 実の取り逃しがないことです。デメリットは虫(ウリばえ) にやられやすい、台風に弱い、 収量が地這い式より少ないことになります。


支柱式のメリット、デメリットは地這い式と真逆になります。


昨年の結果は合格点に近い状況でしたが、 今年はどうなるのでしょうか。もちろん合格点を狙いたいです。
すでにウリばえがかなり集っていますが、 株がもっと成長すれば分散するので被害は少なくなります。
(次号で検証します)

 

 


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↑サンプルデータ5  ナス(自家種100%*4月種まき、5月定植)

 

昨年は今頃たくさん実ができていたのに、今年はぜんぜんです。 生育も昨年に比べると良くありません。


今残っている株を数えたら、植えつけた本数の1/ 3になってました。原因はすぐ横の(赤) クローバーに飲まれたことと植えた苗が貧弱だったことによります 。


このクローバー今季初めて使った緑肥ですが、結局、 種もできず採種不可の使うに値しない、とんでもない緑肥でした。
もう使用しません。

(次号も検証)


(以下は7月号に記載)
すぐ横のクローバーは今も元気で健在してますが、 ナスもなんとか生育してくれてます。でも、 やはり昨年より生育が遅れています。 今年は苗の植え付け後の初期段階でこのクローバーに半分ほど飲ま れて消えてしまいました。


でも、クローバーのおかげで土は肥え、 夏の最強クラスの雑草メヒシバはまったくといっていいほど生えず 、プラス面もありました。


残った半分のナスがどれだけ実をならしてくれるのか? これから1ヶ月が勝負となります。
(次号で検証します)


(以下は6月号に記載)
すぐ横の緑肥(クローバー) に圧倒されて苗が半数ほど消えてしまい、 昨年に比べても小さく生育不良です。
クローバーは土を肥やし、雑草を防いでくれてますが、 近すぎてナスの生育にブレーキをかけてしまったようです。 もう少し距離をとった方が良かったです。
でもこれからはナスの成長期になるのでどうなるのか? 復活を願います。
(次号で検証します)

 

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

泉里農園だより 2023,08,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


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