泉里農園ブログ23,08,28号配信致しました🌞よろしくお願いいたします(^-^)


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☀泉里農園ブログ🌻23.08.28号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  


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↑右から(紫)ささげ、赤しそ、ミニトマト
ささげは初栽培。こんなにすごいとはd(⌒ー⌒ )!そのパワーにビックリです。
高さ2mの棚では小さすぎて、あふれんばかりの混雑状況。 その重みで棚は沈みそうです。
                              (富士宮農場)

 

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『8月の畑』―お盆過ぎたのに―
以前はお盆が過ぎると昼間は多少暑くても朝晩は涼しくなるのが当 たり前でしたが、気象庁の3カ月予報では、 9月もこれまでどおりの猛暑が続き、 10月も夏のように暑くなり、 11月も気温が高いと発表しました。


もうこのじめじめ猛暑はいい加減に終わってほしいと願ってました が、あと1〜2ヶ月もそれは先延ばしということらしいです。


そして来年は今年よりもっと暑くなるとのこと。今のところ40℃ を超えた地域はないようですが、 これまでは夏でも涼しかったはずの北海道の各地で観測史上最高の 気温となり、猛暑日と熱帯夜が続きました。 秋田県など東北地方でも観測史上最高の気温を記録しました。


来年、もっと暑くなるということは、 それによって水蒸気がもっと発生するので今年よりもっと雨が降り 、洪水被害も増すことになります。


今年も全国各地で観測史上最大の雨量を観測しており、 鳥取県ではなんと3ヶ月分の雨が1日で降り、 大きな被害となりました。観測史上最大、最高の暑さ、 雨量という表現が今年も何度も何度も報道されました。


この温暖化、異常気象の原因は人間が化石燃料を燃やし、 CO2を多量に排出するからであり、 だから今なら対策すれば収まるが、 遅れると負のスパイラルに陥り制御不能となり、 もう後戻りできなくなると前々から科学者、 研究者が警告しています。

 

制御不能になるということは人類の絶滅と直結します。 年々ひどくなる今の状況、ゆるい対策、 この流れでは必ずそうなると考えておかしくないはずです。


人類は自業自得で絶滅、 というおろかなことになっても本当にそれでいいのでしょうか?


年々エスカレートしている灼熱地獄とモーレツ洪水、 蒸し風呂の世界、巨大台風、干ばつ、山火事と、 異常気象で食料危機が広がり、パニック。 そして社会は崩壊し人類は絶滅する。 このようになって本当にいいのでしょうか?


何もしなければそうなる可能性は増大していきます。


温暖化を止める最も効果的な方法は政府が本気になって温暖化阻止 を主導し、企業、マスコミが積極的に関与するしかありません。


町に出れば車がたくさん走ってますが、 今もあい変わらずほとんどの車がガソリン、 ディーゼル化石燃料によるCO2排出車で、 朝から朝までCO2を出しまくって地球を常に温暖化させておりま す。


これも政府と企業、マスコミが本気になって早くEV車、 エコ車100%移行へエコカー補助金倍増、 ガソリン車製造禁止など義務化させなければ現状を変えることはで きないのです。


他の飛行機、船舶へのEV、エコ化、 一般住宅の太陽光自家発電化の推進、地熱、 風力発電の推進も政府が本気で協力推進しなければ技術開発は早く 進みません。


とにかく一刻も早く政府、企業、マスコミが一体となり、 対策強化を推進、公表していただきたいのです。

 

我々一般市民が温暖化による人類絶滅を未然に防ぐためにできるこ とは、政府、企業、マスコミをチェックしつつ、 温暖化阻止の気運を盛り上げ、広げ、それぞれの立場、 状況でできることをするしかありません。

 


さて畑の状況ですが、今年の夏も日本各地でモーレツ酷暑、 モーレツ豪雨、モーレツ台風、干ばつと大変な夏となりました。 このモーレツ3点組が1つでも畑に及ぼすと農産物は大変な被害を 受けてしまいます。


当圓でも今年は、カボチャ全滅、キュウリ、スイカ、 メロンほぼ全滅、トマト、ナス、 唐辛子不作などの被害が出ております。


これから秋の種まきシーズンとなりますが、 モーレツ猛暑が9月も続くとなると秋〜 冬野菜への悪影響が懸念されます。


例えば、気温が高いと害虫の量が多く、元気なので白菜、小松菜、 かぶ、大根などの害虫にヤられやすい作物への悪影響、 温度が高すぎて発芽しない、 せっかく種を撒いてもモーレツ豪雨で流されるなどです。


でも、こうなってしまってはどうしようもありません。 なったらなったで後戻りできないので諦めなければなりません。


でも、一体どういう過程でそうなってしまったのか?ということ、 現場の状況を農業を消えさせないために分析し配信することも仕事 の一端と考えますので、温暖化、異常気象と人間、農業、 畑の状況に関する記事は引き続き発信させていただく所存です。

 


『土壌分析の結果』

当園は肥料自給率100%をテーマに、 外部からの持ち込み肥料がほぼゼロの栽培、 すなわち持続可能な究極的エコ農法にチャレンジしております。


以前は米ぬか、油かす、大豆かす、カキ殻などを購入して落ち葉、 雑草をまぜ、自家製の発酵肥料を作っておりました。 当時はこのやり方が最善かもしれないと思ってやっていたわけです が、しかし近年、温暖化と異常気象が年々ひどくなるにつれ、 農作物にも被害がだんだん増えるようになってくると、 このやり方でいいのだろうか?


これは本当に環境に優しい持続的な農法と言えるのだろうか? 少なくとも肥料原料を外部から購入している限り、 持続的とは言えないのでは?という疑問が生じてきました。


この解決策は肥料原料をすべて自給にして肥料自給率を100% にするしかないのですが、 でも肥料原料の米ぬかも油かすも大豆かすも全て自給自足なんて現 実的に一農家単体では不可能といえます。


大きな組織の集合体農業ならできるかもしれませんがこれは大プロ ジェクトなので国が積極的に関わる以外無理な話で、 これも現実的ではなく、


かといって何も肥料を与えない無肥料栽培では確かに自給率は10 0%といえますが、これではだんだん土が枯渇し、 やがてろくな作物しかできなくなることはすでに経験済みで、 一体どうしたらいいのだろうか?と混沌としておりました。


そんな時、 大豆を栽培した後に栽培した作物が外部からの持ち込み肥料を与え なくても他の部分より大変良い生育をしたことにびっくり。


これはもしかしたらこのやり方により効果的な緑肥を使い、 雑草やミミズなどの小動物の力を活用させる大自然力農法と合体さ せれば肥料自給率100%いけるかもしれない!


もっと探求すべき!とチャレンジ精神に火がついたようでした。


そもそも大豆などの豆類はその根に共生しようと、 周囲の土壌から集まってくる根粒菌という微生物が豆類に大気の窒 素(肥料)を供給して豆類を生育させ、土を肥やし、 自らも子孫繁栄させようという活動をすることは農業分野ではよく 広く知られていますが、その肥料分は化学肥料、 有機肥料と比べ弱く、これだけでは不十分で、 化学肥料や有機肥料の使用量を少し減らせる程度のものというのが 一般的な常識です。


でも、前述の大豆を栽培した後の作物は、 他に何も肥料を与えなくても、 十分と言えるような生育をしたのです。


もちろん、 化学肥料や有機肥料を与えればもっと大きくなったかもしれません が、与えなくてもそこそこ普通で十分なら、 それでいいのではないか?


それで自然環境を保全できる、 という副産物が生まれることになるのだからそれで申し分はない。


という結論で、これを他のいろいろな作物でも試しつつ、 大豆以外で大豆以上の土を肥やす植物(緑肥) の探求の道に進みました。


肥料になる植物のことを緑肥作物といいます。 有名なのはレンゲやクローバー、ですが、 調べれば他にもへアリーベッチ、クロタラリア、セスバニア、 カウピー、エビス草、カラスノエンドウ、 八升豆などいろいろあります。 これに普通食用で栽培される大豆や小豆も同じような効果があるの でこれに加えます。


豆類以外にも、ソルゴー、スーダングラス、 えん麦などイネ科の作物やヒマワリなどのキク科の緑肥作物もあり ます。

 


緑肥にはそれぞれ特性があり、 大きく春から初夏に種をまく夏栽培と秋に種をまく越冬栽培があり ます。緑肥が大気の窒素(肥料) を吸収する量を窒素固定量といいますが、 これも緑肥作物によって様々です。


化学肥料、有機肥料を使わないなら、 できるだけこの窒素固定量は多い方が良い、 でも持続的農法なら自家採種が100%できなくてはならない。


緑肥作物を栽培するとその農地と栽培期間を占有するのでその分商 品作物の栽培ができなくなっては本末転倒となるのでそうならない ようなやり方(休耕期間の活用、商品作物と混作など) も必要となります。
これを満たしてくれる最良の緑肥作物は一体なんなのか?


探求が始まったのは7年ほど前からです

すが、栽培する全ての作物を外部からの持ち込み肥料がほぼゼロ、 肥料自給率100%栽培に本格的に移行してからは約3年です。


現在、毎年違う緑肥を試み、その特性をチェックしつつ、 当園にベストな緑肥を絞りこんでいます。


この試みを公開し、共有できればと、 本ブログ下部にピックアップした現在11種類の野菜の年ごとの生 育状況を記録しております。


でも生育記録だけでは不十分で科学的な裏付けも必要なので基本的 に年一回の土壌分析を実施し、それを公開することにしました。


😊前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。


分析地点は富士宮農場で1エリア、 南部農場で2エリアの計3地点です。


今回で2回めとなりますが、昨年と比べて土壌はどうなったのか? お伝えいたします。


分析は、作物に必要な元素が畑の土壌にどれだけあり、 その量は作物を育てるのに十分なのか?多すぎるのか? 少ないのか?適正かどうかを提示してくれます。


分析するのは、3大栄養素のN(窒素)、P(リン酸)、K( カリウム)にCa(カルシウム)Mg(マグネシウム)Zn( 亜鉛)Mn×2(マンガン)Bi(ホウ素)Fe(鉄)Cu(銅) とPH(水素イオン濃度)12元素で13種類とCEC陽イオン置換容量)=保肥力(文字通り、肥料元素を保つ力) が加わります。


12元素13種類には適正値があり、 この値は多すぎても少なすぎてもアウトとなります。


結果は2地点は想像以上の良い結果で、
前回(2022年)の結果と比べ、CECが2地点共大幅に向上、 他の13種類は、適正値となった元素が増えています。


富士宮農場A地点は、前回分析で適正値だった元素は 5つ(5/13)でしたが、今回は 7つ(不適正6)と+2ポイント増えました。


南部農場B地点では適正値の元素は
前回 5つ(5/13)から 9つ(不適正3つのみ)と+4ポイント増えました。


一方南部農場A地点では、前回の適正は8つ(8/13) で今回は7つ、CECも減少と後退しました。


ということで2勝1負ということになりました。


後退した南部農場A地点の畑は、緑肥の種類を変えたりしつつ、 改善させなければなりません。


でもまだまだ2回めです。最終的に100%、 13種類全てが適正となれば文句なしですが、 これは外部からの持ち込み肥料を与えていても難しいことのような ので至難の技かもしれません。


いずれにせよまだまだ最終結論まで(あと最低3〜4年) には長い道のりですが、外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培( 肥料自給率100%)成功に向けて取り組んでまいります。


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✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.08,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
★ニラ(少量)
★大葉(少量)
エゴマ
★モロヘイヤ
★赤しそ(少量)


🥒《果菜類
★ゴーヤ
★キュウリ(少量)
★オクラ
★神楽南蛮(少量)
(紫)ささげ

 


🥔《根菜、イモ類》
★金時ショウガ


🍀その他
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
ミニトマト?、ナス?、栗

 

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチはオクラです。


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↑オクラ畑
自家種100%。外部からの持ち込み肥料ゼロ、 肥料自給率100%栽培。
モーレツ猛暑、干ばつ、モーレツ豪雨、モーレツ湿気のこの夏、 元気なのは原産地がアフリカの作物です。 もちろんこのオクラもアフリカ。モロヘイヤ、 ささげもアフリカで皆元気です。


《利用法》

お浸し、ごま和え、炒め物、サラダ、天ぷら、 付け合わせなどいろいろ使えます。

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その16


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

干ばつ状況から一転、台風6, 7号による豪雨で土は潤い元気になったようですが、 雑草が勢いを増しております。 この程度なら収量に大きな影響を与えないと考えます。 収穫はあと1ヶ月半後なので今は葉の成長より芋の肥大にエネルギ ーが注がれています。

 

 

 


(以下は7月号の記載)
葉や茎の充実具合で、芋のでき、不できが予測できますが、 7月の時点でこれだけ充実していれば、 収穫は合格点だった昨年レベル以上は期待できます。


ただ、里芋は干ばつに弱いので、あとは天気次第です。 ここ最近まとまった雨がないので、少し気がかりです。
(次号で検証します)

 


(以下は6月号に記載)
里芋の葉がしっかりしてきました。 先日株間の緑肥クローバーと雑草をすき込んで土寄せしました。 これが追肥となります。あともう一度か二度、 周囲の雑草がいっぱいになったら刈り取り敷き草にしたら収穫を待 つだけとなります。


里芋も葉や茎の太さがしっかりするほど大きなお芋がたくさんでき ます。 これからがその成長期なのであとは地力次第ということになります 。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)

里芋が頭をしました。とりあえず第一関門クリア。
里芋と里芋の間に緑肥クローバーをまきましたが雑草もかなり生え てきました。
やがてすき込んで追肥にし、その後別の緑肥をまく予定です。


作物を栽培しながら土を肥やすことがこの農法の基本となります。

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。

 

 


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

ショウガも里芋と同様に乾燥に弱く、水分を好みますので、 梅雨明け後の雨なしで枯れそうだったのが台風6, 7号のモーレツ豪雨で復活しましたが、 雑草メヒシバがそれ以上に元気になって、 発芽率の悪かった南部農場のショウガは完全に飲まれてしまい生育 不良となり、もはやどうしようもない状況です。


写真は富士宮農場のショウガですが、 こちらの方はショウガの品種が2種類で(南部農場は1種類) 発芽率が高かったので草取りも優先したせいか、 なんとかメヒシバに飲まれるまでには至らず、 際立った生育不良はないようです。


メヒシバは霜が降りる頃まで畑に君臨するので、 まだまだ暴れまくることになります。 農作物が飲まないようにメヒシバ刈りが続きます。

 

 


(以下は7月号に記載)
ショウガは南部農場と富士宮農場で栽培しております。 今回は富士宮農場のようすです。富士宮農場は、 金時ショウガと近江ショウガの2種類、 南部農場は近江ショウガのみです。


両農場共に近江ショウガの発芽率が60〜70% ほどであまり良くありません。これは、 もともとの種ショウガの品質が良くなかったか、 植え付け後に傷んでしまったかですが、 この近江ショウガは毎年こんな状況となっています。 発芽率100%にするには、どうしたら良いのか? 模索しております。


ショウガとショウガの間に緑肥エビス草を栽培していますが、 ショウガをおおってしまう前に刈り取り、追肥にします。
(次号で検証します)

 

 


(以下は6月号に記載)
4〜5割ほどが発芽しております。( 夏の最強クラスの雑草メヒシバと葉が似ているので分かりずらいで すが)
発芽したところの雑草を取り、 きれいにしたら周囲の雑草を天日干しで枯らしたものを敷いてまた 生えてくる雑草を防ぐと共に、乾燥も防ぎ、 追肥としても活用します。
来月になっても発芽しなければこれは種ショウガ自体に問題があっ た可能性が高いです。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)
ショウガはなかなか芽を出しませんので、 その間にメヒシバなど雑草がたくさん出て来て、 このままでは畑を占拠されてしまうのでひどくなる前に土寄せして 雑草を除去しました。株間には緑肥エビス草をまきました。
(次号で検証します)

 

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。

 

 


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↑サンプルデータ4 キュウリ(自家種100%*4月種まき、5月定植)
7〜8月にかけての雨なしと異常な猛暑の後、お盆前には台風6, 7号によるモーレツ豪雨、 異常な湿気のせいか病気にかかり枯れ出しました。 実は結局ほとんど取れませんでした。 こんなに取れなかったことはなかったかもしれません。


地這いなのにネット栽培したこともよくなかったかも? 次に種まきしたのは、地這い方式で栽培しました。(下部写真) こちらは病気にかかりませんでしたが、 ツルは十分延びているのに実がまったくできません。


気がつくと、受粉をしてくれるミツバチがほとんど飛んでません。 滝のようなモーレツ豪雨と湿気でミツバチもやられてしまったよう です。


ゴーヤもミツバチ等のおかげで実ができますが、台風6, 7号のモーレツ豪雨の後、パタッと実ができなくなりました。


今後、天気が安定したら復活するのか、どうなのか?たぶん、 またモーレツ豪雨きたら今年のキュウリ、おしまいです。


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↑本来の地這い方式


(以下は7月号に記載)
実がなり始めました。 キュウリは時期を1ヶ月ほどずらしながら4回に分けて種まきをし ております。今収穫が始まっているのは第一回のもの(4月まき) です。これから本番になりますが、 問題はどれだけ実が収穫できるか?です。


これが合格か不合格かの判断基準となります。
(次号で検証します)

 


(以下は6月号に記載)
昨年は、地這い式栽培でしたが、今年は支柱式栽培にしました。 支柱式のメリットは場所を取らない、 実の取り逃しがないことです。デメリットは虫(ウリばえ) にやられやすい、台風に弱い、 収量が地這い式より少ないことになります。


支柱式のメリット、デメリットは地這い式と真逆になります。


昨年の結果は合格点に近い状況でしたが、 今年はどうなるのでしょうか。もちろん合格点を狙いたいです。
すでにウリばえがかなり集っていますが、 株がもっと成長すれば分散するので被害は少なくなります。
(次号で検証します)

 

 


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↑サンプルデータ5  ナス(自家種100%*4月種まき、5月定植)

 

昨年は今頃たくさん実ができていたのに、今年はぜんぜんです。 生育も昨年に比べると良くありません。


今残っている株を数えたら、植えつけた本数の1/ 3になってました。原因はすぐ横の(赤) クローバーに飲まれたことと植えた苗が貧弱だったことによります 。


このクローバー今季初めて使った緑肥ですが、結局、 種もできず採種不可の使うに値しない、とんでもない緑肥でした。
もう使用しません。

(次号も検証)


(以下は7月号に記載)
すぐ横のクローバーは今も元気で健在してますが、 ナスもなんとか生育してくれてます。でも、 やはり昨年より生育が遅れています。 今年は苗の植え付け後の初期段階でこのクローバーに半分ほど飲ま れて消えてしまいました。


でも、クローバーのおかげで土は肥え、 夏の最強クラスの雑草メヒシバはまったくといっていいほど生えず 、プラス面もありました。


残った半分のナスがどれだけ実をならしてくれるのか? これから1ヶ月が勝負となります。
(次号で検証します)


(以下は6月号に記載)
すぐ横の緑肥(クローバー) に圧倒されて苗が半数ほど消えてしまい、 昨年に比べても小さく生育不良です。
クローバーは土を肥やし、雑草を防いでくれてますが、 近すぎてナスの生育にブレーキをかけてしまったようです。 もう少し距離をとった方が良かったです。
でもこれからはナスの成長期になるのでどうなるのか? 復活を願います。
(次号で検証します)

 

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

泉里農園だより 2023,08,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


(メールアドレス)
izumisatoyasaien@gmail.com
       

 

 

 

泉里農園ブログ23,07,28号配信致しました🌞!よろしくお願いいたします(^-^)


🌰🍉🍅🍎🍆🍈🌽🍏🍓🥕🥒🥔
☀泉里農園ブログ🌻23.07.28号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  


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 ↑緑肥ひまわり
ひまわり🌻は植物の生育に必要なリン酸、窒素などを産み出し、 土を良くしてくれる貴重な植物です。これを緑肥作物といいます。
緑肥には秋まき、早春まき、初夏まきの3パターンがあり、 ひまわりは初夏まきのグループになります。 真夏に生育して土を肥やし、 次に作付けする作物の肥料になります。

 

このひまわりの後は、人参の作付けとなります。 人参栽培の肥料は、 このひまわりとひまわりの周りの雑草そしてひまわりの周りに潜ん でいる小動物や微生物たちだけです。
                                   (富士宮農場)

 

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『7月の畑』39.5℃
先週、畑の温度計が39.5℃を記録しました。昨年までは、 38℃までしか経験してなかったので、史上初となりました。 39.5℃という気温は、尋常ではなく、 本当に耐えられないような危険な暑さです。 これに蒸し暑さも加わるので暑いを越えて 辛いというかんじです。


こうなると畑の炎天下の屋外作業はほとんどできません。 なにせ歩くだけでもしんどくなるのですから。


この後、夏は本番となりますが、もっと暑くなるのでしょうか? 40℃超えとなると、もはや命の危険ゾーンになります。
畑の作物にも危険な状況になります。


温暖化、異常気象は年々ひどくなっています。 今年の線状降水帯の発生回数はすでに昨年の3倍になっております 。雨の多い6〜 7月の1ヶ月分の雨が半日で降った地域もありました。 いままでこんなことありませんでした。


温暖化すると気温、海水温度が上がり、 それで海と陸から昇る水蒸気が増えて、雨雲がその分発生する。 その結果、雨が多くなるのは当然のことです。


こんな温暖化、異常気象が年々ひどくなっているのに、 このままいったらとても大変なことになるのは明らかなのに、 ただ暑い暑い、洪水に気をつけましょう! ばかり言っているだけで、なぜこれを阻止しよう! ストップさせよう! という社会的な機運が高まらないのでしょうか?


温暖化、異常気象の原因は人間。だから対策をすれば回避できる。 とずいぶん前から科学者、研究者が唱えてきました。しかし、 今だにあまり浸透していないことが原因かもしれません。


欧米、韓国など世界の国々の世論調査では、温暖化、 異常気象に危機意識をもっていると答えた人々の割合は平均4〜 5割ほど、日本は2.〜3割。とTV報道されておりました。


先日もTVで、 リポーターが豪雨被害の被災者の方へのインタビューで、「 こればっかりは自然のことなのでしょうがないです」 なんて答えておりましたが、政府、マスコミが科学者、 研究者の警告を本気で信じようとしないことから啓蒙活動をまった くせず、だから一般市民に浸透しないのでしょうか。


これはまず政府、企業、 政府に忖度するようなマスコミが温暖化対策より経済成長が一番大事とする考え方がかなり根強いからなのか? 正常性バイアスというものなのか? はたまた面倒なことは避けたいからのか? はっきりはわかりません。だから科学者、 研究者のいうことを信じようとしない、 信じたくないのかもしれません。


その結果、強い対策をしないので温暖化、 異常気象はどんどんひどくなることになります。


とにかく政治家、企業経営者の皆様、 マスコミが本当に本気になって脱炭素など対策強化に取り組んでく れなければ、温暖化ストップは大きく進まないのです。
いつになったら本気になってくれるのでしょうか?


もちろん我々一般市民もそれぞれの立場でやれること、 できることはやるべきでしょう。 たとえば国政選挙では温暖化対策を真剣に取り組む姿勢の政治家、 政党に投票するとか、 温暖化対策に取り組む企業の製品を優先的に購入するとか、 プラスチック、ビール製品をできるだけ使わないとか、 車を買うならガソリン車でなく、電気自動車にするとか、 家を建てるならソーラー発電住宅にするとか、いろいろあります。


人類によって生み出された灼熱、蒸し風呂の酷暑、洪水、 モーレツ暴風雨、山火事など、 なにもいいことはないマイナスばかりの地獄のような状況を、 我々人類自らが対策を強化し、 変えて良くすることができるのでしょうか?


あるいは、これまでどおりのゆるい対策のままで良しとして、 もっともっとひどい状況となるのでしょうか?
今、その分かれ道、重大な局面ともいわれております。


愚か者的、自業自得の人類絶滅とならぬこと強く願っております。

 


さて、7月の畑は、種まきは、大豆、小豆、キュウリ(最終)、 ひまわり、エビス草などの緑肥のみとなり、これが完了すれば、 8月の旧盆まで種まきはお休みとなります。


しばらく作付け作業ちょっと一段落となりますが、 その代わり夏野菜の収穫作業が増えてきましたし、 9月から始まる秋の種まきシーズンに向けての準備、 雑草を刈り夏野菜の肥料にしたりと農繁期は続きます。


あとは異常気象の状況次第となります。モーレツ豪雨、 モーレツ酷暑、モーレツ台風、 干ばつによって農作物に被害がないことを祈っております。

 


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.07,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
★ニラ
★大葉
エゴマ
★モロヘイヤ


🥒《果菜類
★ゴーヤ
★キュウリ
★オクラ

 


🥔《根菜、イモ類》
★じゃがいも(アンデスレッド)
★じゃがいも(出島)


🍀その他
ブルーベリー
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
赤しそ、ササゲ、ナス、神楽南蛮、ミニトマト、スイカ、メロン、 カボチャ?(生育不良)

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 

🌞今月のピカイチは、ゴーヤです。
自家採種歴は30年以上と、当圓の自家採種歴最長の野菜です。 なのでとにかく強いです。 もちろん外部からの持ち込み肥料はゼロ、肥料は緑肥、雑草、 小動物、定住微生物によって生み出されたものだけです。
苦味はほどほど、ジューシーでしゃきしゃきで美味です。


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↑ゴーヤ栽培部


《利用法》

炒めもの、天ぷら、卵とじ、スープ、生サラダ、カレー、 ジュースなどいろいろ使えます。

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その14


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 

 


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↑サンプルデータ1 トウモロコシ(自家種100%もちトウモロコシ* 3月まき4月定植)

カラスがせっかく育った実を全部食べてしまうので、 トウモロコシの周りにネットを設置しました。
実はある程度収穫でき、少し出荷もできました。 昨年より良い結果となっていることは間違いないですが、でも、 まだ合格点をつけられません。


というのは、小さい実しかできなかった株が50% はあったからです。


充実した実が70%以上できなければ合格点はつけられません。 今年は充実した実は10%ほど。


玉ねぎ、トウモロコシ、 ホウレン草は肥料食い野菜のトップ3なので、 外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培では難関作物となっております。


来年は今年よりいい成績がでるように、 もっと地力を上げる工夫が必要です。


以上、トウモロコシの2023年の検証終了です。

 


(以下は6月号に記載)
ここ1ヶ月でだいぶ成長し、もはや穂もでています。 ヤングコーンもできつつあります。
昨年よりはだいぶ良い生育をしているものの、 完ぺきとは言えません。
茎が少し細い感じで、背丈もいまいち低いかもしれません。
こうなると大きな実はできません。


次回、7月の後半ではすでに収穫期を過ぎているはずなので、 次号ではその結果を報告いたします。
(7月号で検証)

 


(以下は5月号に記載)
先月よりだいぶ元気になってきました。昨年よりいい感じです。 この調子なら今年は合格点?


周囲の雑草は刈り取り、株元に敷いて追肥とします。


順調にいけば来月(6月後半) には穂がでてヤングコーンがとれるはずです。
(次号に検証)

 


,
(以下は4月号に記載)
検証2年めスタート。昨年は生育不良で落第点、失敗してます。 今年は昨年以上の成果をあげられれば前進です。 このところ気温が低いので成長が止まっている感じです。 株間に緑肥のクローバーとエビス草をまきました。 これは完全に生育してすき込んで数ヶ月しないと効かないのでトウ モロコシへの直接的な肥料ではなく、 主にトウモロコシの次の作物のためということになります。


土が痩せている畑では作物を栽培しながら同時平行で土を肥やすこ ともしなければなりません。

 

 

 


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

葉や茎の充実具合で、芋のでき、不できが予測できますが、 7月の時点でこれだけ充実していれば、 収穫は合格点だった昨年レベル以上は期待できます。


ただ、里芋は干ばつに弱いので、あとは天気次第です。 ここ最近まとまった雨がないので、少し気がかりです。
(次号で検証します)

 


(以下は6月号に記載)
里芋の葉がしっかりしてきました。 先日株間の緑肥クローバーと雑草をすき込んで土寄せしました。 これが追肥となります。あともう一度か二度、 周囲の雑草がいっぱいになったら刈り取り敷き草にしたら収穫を待 つだけとなります。


里芋も葉や茎の太さがしっかりするほど大きなお芋がたくさんでき ます。 これからがその成長期なのであとは地力次第ということになります 。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)

里芋が頭をしました。とりあえず第一関門クリア。
里芋と里芋の間に緑肥クローバーをまきましたが雑草もかなり生え てきました。
やがてすき込んで追肥にし、その後別の緑肥をまく予定です。


作物を栽培しながら土を肥やすことがこの農法の基本となります。

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。

 

 


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

ショウガは南部農場と富士宮農場で栽培しております。 今回は富士宮農場のようすです。富士宮農場は、 金時ショウガと近江ショウガの2種類、 南部農場は近江ショウガのみです。


両農場共に近江ショウガの発芽率が60〜70% ほどであまり良くありません。これは、 もともとの種ショウガの品質が良くなかったか、 植え付け後に傷んでしまったかですが、 この近江ショウガは毎年こんな状況となっています。 発芽率100%にするには、どうしたら良いのか? 模索しております。


ショウガとショウガの間に緑肥エビス草を栽培していますが、 ショウガをおおってしまう前に刈り取り、追肥にします。
(次号で検証します)

 

(以下は6月号に記載)
4〜5割ほどが発芽しております。( 夏の最強クラスの雑草メヒシバと葉が似ているので分かりずらいで すが)
発芽したところの雑草を取り、 きれいにしたら周囲の雑草を天日干しで枯らしたものを敷いてまた 生えてくる雑草を防ぐと共に、乾燥も防ぎ、 追肥としても活用します。
来月になっても発芽しなければこれは種ショウガ自体に問題があっ た可能性が高いです。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)
ショウガはなかなか芽を出しませんので、 その間にメヒシバなど雑草がたくさん出て来て、 このままでは畑を占拠されてしまうのでひどくなる前に土寄せして 雑草を除去しました。株間には緑肥エビス草をまきました。
(次号で検証します)

 

(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。

 

 


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↑サンプルデータ4 キュウリ(自家種100%*4月種まき、5月定植)
実がなり始めました。 キュウリは時期を1ヶ月ほどずらしながら4回に分けて種まきをし ております。今収穫が始まっているのは第一回のもの(4月まき) です。これから本番になりますが、 問題はどれだけ実が収穫できるか?です。


これが合格か不合格かの判断基準となります。
(次号で検証します)

 

(以下は6月号に記載)
昨年は、地這い式栽培でしたが、今年は支柱式栽培にしました。 支柱式のメリットは場所を取らない、 実の取り逃しがないことです。デメリットは虫(ウリばえ) にやられやすい、台風に弱い、 収量が地這い式より少ないことになります。


支柱式のメリット、デメリットは地這い式と真逆になります。


昨年の結果は合格点に近い状況でしたが、 今年はどうなるのでしょうか。もちろん合格点を狙いたいです。
すでにウリばえがかなり集っていますが、 株がもっと成長すれば分散するので被害は少なくなります。
(次号で検証します)

 

 


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↑サンプルデータ5  ナス(自家種100%*4月種まき、5月定植)

すぐ横のクローバーは今も元気で健在してますが、 ナスもなんとか生育してくれてます。でも、 やはり昨年より生育が遅れています。 今年は苗の植え付け後の初期段階でこのクローバーに半分ほど飲ま れて消えてしまいました。


でも、クローバーのおかげで土は肥え、 夏の最強クラスの雑草メヒシバはまったくといっていいほど生えず 、プラス面もありました。


残った半分のナスがどれだけ実をならしてくれるのか? これから1ヶ月が勝負となります。
(次号で検証します)


(以下は6月号に記載)
すぐ横の緑肥(クローバー) に圧倒されて苗が半数ほど消えてしまい、 昨年に比べても小さく生育不良です。
クローバーは土を肥やし、雑草を防いでくれてますが、 近すぎてナスの生育にブレーキをかけてしまったようです。 もう少し距離をとった方が良かったです。
でもこれからはナスの成長期になるのでどうなるのか? 復活を願います。
(次号で検証します)

 

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

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陸稲(オカボ)+小豆
オカボは畑で育つお米です。日本では水稲より歴史が古く、 縄文期から栽培されていたとされます。
水稲と比べ、うるち米は少しパサパサして食味は劣りますが、 もち米はモチモチしすぎず水稲とはまた別の食味です。


陸稲の弱点は干ばつに弱いこと。
水稲は川や湖の水を引き込んで栽培するので比較的に干ばつにある 程度耐えられます。あと収量が少し低いこと。( 水稲は長年品種改良が頻繁にされていることもあります)


利点は、畑で野菜と同じように普通に栽培できること。 水稲陸稲と比べ水田を作るのに多くの労力、資材、 エネルギーが必要で、その分環境負荷が高いといえます。なので、 これからの環境保全を考えたら、 陸稲の方が適しているかもしれません。


ということで、最も効率的な栽培法を探求し、確立させるために、 少しですが栽培しています。( 昨年は雀にほとんど食べられてしまいました)


今年は初めての試みで、陸稲の株間に小豆をまいてみました。 小豆が陸稲の間に生育することで陸稲にはびこる雑草を防ぎ、 土を肥やす小豆の力を活用するという一石二鳥を狙いました。 さて成功するかどうか?
                                   (南部農場)

 

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『6月の畑』
一年で最も雨の日が多い6月。 一般的に雨は嫌われやすいのですが、 モーレツ豪雨や雨の降りすぎを除けば、 農業にとってはありがたい存在です。


ただ、麦に関しては厳しい季節。 それは6月は麦の収穫期だからです。麦の収穫は、 麦がカラカラに乾燥してないと収穫できません。 麦の粒が濡れているとカビが生えたり、発芽してしまうからです。


大型乾燥機なんかあれば別ですが、 麦専門でない一般農家にそんな高額なもの備えられるはずもなく、 結局はお日さまに頼るしかありません。


なので、できるだけ完熟した麦を畑で乾燥させて収穫し、 その後の天日干しも一回で済ませることが一番です。


今季の麦(小麦、大麦、ライ麦)は、冬に鹿に新芽を食べられて、 ライ麦だけはなんとか復活しましたが、小麦、 大麦は復活できずほぼ全滅でした。


なので収穫はライ麦だけでしたが、 6月上旬頃に雨が降らない日が続いたので、 なんとかの乾燥状態で収穫でき、その場で脱穀も完了。 ここまでは順調でしたが、その後カラッとした晴れの日がなく、 天日干しがまだ不十分です。 そのままにしておくとコクゾウムシに食べられてしまいますので、 とりあえず袋に入れて穀物タンクに入れました。 晴れたらまた天日干しです。

 


今後、温暖化が進むと、海水温度が上がり、 水蒸気がより発生するので雨の降る頻度も多くなるので、もう麦の栽培は無理かもしれません。来年以降、麦の栽培はどうするか悩んでいます。


麦以外の作物で雨の降りすぎで支障がでるのは、6月が収穫期のビワ、ブラム、梅などの果物です。果物は収穫近くになって雨が続くと果実が水分を吸いすぎて味が水っぽく、薄くなりますのでいいことありません。野菜でもトマトなどが同じようになります。


果樹は麦やトマトのように毎年種まきする作物ではないので、温暖化で雨が多くなっても栽培は続けますが、あまりに気候がひどくなり、まずい果実しかできなくなれば、大方切るか、栽培放棄ということもあり得るかもしれませんが、そのようにならないことを願うばかりです。


6月の作付けは、5月後半から始まった夏〜秋野菜や陸稲、雑穀の苗の定植、緑肥の種まきなどがあります。これらの作物はある程度雨があった方が発芽や根付きが良くなるので、モーレツ豪雨や長雨がなければ梅雨期はありがたい季節なのです。


まもなく7月ですが、梅雨が明ける直前はモーレツ豪雨が降ることが多く、毎年この頃に豪雨災害が多いようなので土砂崩れ、川の氾濫など気を付けなければなりません。


被害がほとんどないこと祈ります。

 

 


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.06,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
★ニラ
キャベツ(少)


🥒《果菜類
いんげん


🥔《根菜、イモ類》
夏大根
★じゃがいも(アンデスレッド)
★じゃがいも(出島)


🍀その他
ハーブ(スペアミント
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
ヤングコーン、キュウリ、大葉、エゴマ、赤しそ、モロヘイヤ、 ササゲ、オクラ、ゴーヤ、カボチャ?

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、インゲンです。


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↑インゲン
山梨育成の在来種。
支柱をするのに大変なわりには鹿にも狙われたり、収量も大して多くなく、非効率な野菜の位置付けであまり積極的に栽培してこなかったのですが、山梨県で育成の種を購入できたこともあり、今年は少し多くチャレンジです。ナイロンネットや竹で支柱を作らず、鉄の支柱を使ってみたら成功でした。この方が少し重いですが、設置と片付けがやり易いかもしれません。


《利用法》

お浸し、ごま和え、炒め物、煮物、サラダ、付け合わせなどいろいろ使えます。

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その13


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ1 トウモロコシ(自家種100%もちトウモロコシ* 3月まき4月定植)

ここ1ヶ月でだいぶ成長し、もはや穂もでています。 ヤングコーンもできつつあります。
昨年よりはだいぶ良い生育をしているものの、 完ぺきとは言えません。
茎が少し細い感じで、背丈もいまいち低いかもしれません。
こうなると大きな実はあまりできません。

次回、7月の後半ではすでに収穫期を過ぎているはずなので、 次号ではその結果を報告いたします。
(7月号で検証)

 


(以下は5月号に記載)
先月よりだいぶ元気になってきました。昨年よりいい感じです。 この調子なら今年は合格点?


周囲の雑草は刈り取り、株元に敷いて追肥とします。


順調にいけば来月(6月後半) には穂がでてヤングコーンがとれるはずです。
(次号に検証)

,
(以下は4月号に記載)
検証2年めスタート。昨年は生育不良で落第点、失敗してます。 今年は昨年以上の成果をあげられれば前進です。 このところ気温が低いので成長が止まっている感じです。 株間に緑肥のクローバーとエビス草をまきました。 これは完全に生育してすき込んで数ヶ月しないと効かないのでトウ モロコシへの直接的な肥料ではなく、 主にトウモロコシの次の作物のためということになります。


土が痩せている畑では作物を栽培しながら同時平行で土を肥やすこ ともしなければなりません。

 


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

里芋の葉がしっかりしてきました。 先日株間の緑肥クローバーと雑草をすき込んで土寄せしました。 これが追肥となります。あともう一度か二度、 周囲の雑草がいっぱいになったら刈り取り敷き草にしたら収穫を待 つだけとなります。


里芋も葉や茎の太さがしっかりするほど大きなお芋がたくさんでき ます。 これからがその成長期なのであとは地力次第ということになります 。
(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)

里芋が頭をしました。とりあえず第一関門クリア。
里芋と里芋の間に緑肥クローバーをまきましたが雑草もかなり生え てきました。
やがてすき込んで追肥にし、その後別の緑肥をまく予定です。


作物を栽培しながら土を肥やすことがこの農法の基本となります。

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。

 

 


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

4〜5割ほどが発芽しております。(夏の最強クラスの雑草メヒシバと葉が似ているので分かりずらいですが)
発芽したところの雑草を取り、きれいにしたら周囲の雑草を天日干しで枯らしたものを敷いてまた生えてくる雑草を防ぐと共に、乾燥も防ぎ、追肥としても活用します。
来月になっても発芽しなければこれは種ショウガ自体に問題があった可能性が高いです。

(次号で検証します)

 


(以下は5月号に記載)
ショウガはなかなか芽を出しませんので、 その間にメヒシバなど雑草がたくさん出て来て、 このままでは畑を占拠されてしまうのでひどくなる前に土寄せして 雑草を除去しました。株間には緑肥エビス草をまきました。
(次号に検証)

 

(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。

 

 


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↑サンプルデータ4 キュウリ(自家種100%*4月種まき、5月定植)

昨年は、地這い式栽培でしたが、今年は支柱式栽培にしました。 支柱式のメリットは場所を取らない、 実の取り逃しがほとんどないことです。デメリットは虫(ウリばえ) にやられやすい、台風に弱い、 収量が地這い式より少ないことになります。


支柱式のメリット、デメリットは地這い式と真逆になります。


昨年の結果は合格点に近い状況でしたが、 今年はどうなるのでしょうか。もちろん合格点を狙いたいです。
すでにウリばえがかなり集っていますが、 株がもっと成長すれば分散するので被害は少なくなります。
(次号で検証します)

 

 


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↑サンプルデータ5  ナス(自家種100%*4月種まき、5月定植)

すぐ横の緑肥(クローバー)に圧倒されて苗が半数ほど消えてしまい、昨年に比べても小さく生育不良です。
クローバーは土を肥やし、雑草を防いでくれてますが、近すぎてナスの生育にブレーキをかけてしまったようです。もう少し距離をとった方が良かったです。
でもこれからはナスの成長期になるのでどうなるのか?復活を願います。
(次号で検証します)

 

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

泉里農園だより 2023,06,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


(メールアドレス)
izumisatoyasaien@gmail.com
       

 

 

 

泉里農園ブログ23,05,29号配信致しました🌞よろしくお願いいたします(^-^)


🌰🍉🍅🍎🍆🍈🌽🍏🍓🥕🥒🥔
☀泉里農園ブログ🌻23.05,29号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  
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↑純白が際立つ人参の花
雑草にも負けない力をもった野菜もあります。 この人参は自家採種歴が20年近く。 長年自家採種を続けると雑草に負けない力が備わってくるようです 。
今では種をまかなくても自力で発芽して雑草を押し退けて生育し、 花を咲かせるようになりました。


一方、3年前から自家採種を始めた別の品種の人参は、 人間が保護してやらないと雑草に飲まれ消えてしまいます。 野菜は優良選抜(基本、生育力の強い株を選び採種する) により自家採種を長年続けることでその土地、 気候風土に合った本来の生命力の強い野生に戻っていくのかもしれ ません。


野生の本能が復活してくると、雑草だけでなく、 病害虫にも強くなり、 肥料をあまりやらずとも立派に生育するようになる。 すなわち雑草のような力強い野菜になっていくようです。


この人参のように雑草化した野菜は、他に大根、エゴマ、赤しそ、 ミニトマト、ゴーヤ、里芋、じゃがいも、はぶ、なばな、 のらぼう菜、小松菜などがあり、皆自家採種歴10〜 20年以上のキャリアがあります。


今、 当園がチャレンジしている外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培と このような種とリンクすることで、環境にやさしく、 健康によい持続可能な農業がよりパワフルになるのかもしれません 。


                                           (南部農場)

 


🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱


『5月の畑』
若葉の季節5月。10年以上昔なら、 年間を通しても過ごしやすい月の1つでしたが、 今ではそのような日はあまりなく、7月並みの30℃ 超えの真夏日になったと思えば次の日は3月並みの寒い日になった りと気温の乱高下が非常に激しくなっています。


今年の冬から4月も同様の状況でしたが、 とにかく気象が最近際立っておかしくなっています。 先日発生した台風2号は、 5月としては記録的な大型台風になる予報で、この状況は8〜 9月頃の気象に似ているそうです。 季節が先に飛んでしまっている状況です。
とにかくこの台風、日本に来ないこと祈ります。


さて、5月は春の種まき、作付けシーズンの最終月で、 4月に苗として種まきしたトマト、ナス、ゴーヤ、スイカ、 メロン、オクラ、キュウリ、モロヘイヤ、 しそなどの夏野菜の定植、きび、ひえなどの雑穀と陸稲、 ササゲの種まき全てなんとか完了致しましたq(^-^q)


あとは元気に育ってくれること願いつつ、 雑草に飲まれないように世話をすることになります。


夏の雑草(メヒシバなど)は飛び抜けた生命力があり、 猛暑温暖化と多湿、多雨がより彼らをよりパワフルにするので、 年々雑草被害は拡大傾向で、 ビニールマルチや除草剤を使わずにテクニックだけでこれを防ぐの は簡単なこととはいえません。


しかし、 大自然力農法は雑草を基本的に敵としては扱わずにそのパワーを活 用しますので、貴重な存在。 なので防ぐのは野菜が飲まれないようにする程度で、 あとは放任後刈り取り、敷き草にしたり、 畑にすきこんで土を肥やさせます。


パワフルな雑草はビタミン、 ミネラルが豊富でこれが美味しく栄養豊かな野菜づくりに役立つの です。困った雑草もありますが、ほとんどの雑草は宝なのです。


6月になりますと、雑穀や陸稲の定植、さつまいもの定植、 秋キュウリ、 ひまわりなど緑肥の種まきが定番の作付けになります。


春の作付けに比べると減りますが、梅雨になりますので、 作業は雨が止んだタイミングになりますので、 作業密度が高くなります。 後半は雨ではできないじゃがいもの収穫もあり、 かなり強行なスケジュールになることも普通です。


あとは今以上の極端な異常気象にならぬこと祈るだけです。

 

 


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.05,29現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
パクチー(少)
★ニラ
キャベツ(少)

 


🥔《根菜、イモ類》
★ニンニク


🍀その他
ハーブ(スペアミント
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
いんげん、夏大根、らっきょう、じゃがいも、ビワ、プラム

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、ニンニクです。


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↑収穫したばかりのニンニク
自家種100%(採種歴20年前後)
今年は気温の乱高下のせいか、平年より成熟が早く、 10日ほど収穫も早くなりました。 そのせいか少し小ぶりのようです。 でも外部からの持ち込み肥料ゼロで栽培してますので、 そもそも極端に大きくはならないと考えられます。


ほりたてのニンニクは実がパンパンに充実してます。


《利用法》

料理の隠し味、漬け物、薬味などに


*ニンニクには各種の薬効がありますが、 とりすぎは良くないようです。
大きさにもよりますが、1日1〜3カケほどが適当のようです。

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その13


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。



f:id:izumisato:20230529180219j:image
↑サンプルデータ1 トウモロコシ(自家種100%もちトウモロコシ* 3月まき4月定植)

先月よりだいぶ元気になってきました。昨年よりいい感じです。 この調子なら今年は合格点かも?

周囲の雑草は刈り取り、株元に敷いて追肥とします。
順調にいけば来月(6月後半) には穂がでてヤングコーンがとれるはずです。
(次号に検証)

 


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(以下は4月号に記載)
検証2年めスタート。昨年は生育不良で落第点、失敗してます。 今年は昨年以上の成果をあげられれば前進です。 このところ気温が低いので成長が止まっている感じです。 株間に緑肥のクローバーとエビス草をまきました。 これは完全に生育してすき込んで数ヶ月しないと効かないのでトウ モロコシへの直接的な肥料ではなく、 主にトウモロコシの次の作物のためということになります。


土が痩せている畑では作物を栽培しながら同時平行で土を肥やすこ ともしなければなりません。


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

里芋が頭をしました。とりあえず第一関門クリア。
里芋と里芋の間に緑肥クローバーをまきましたが雑草もかなり生え てきました。
やがてすき込んで追肥にし、その後別の緑肥をまく予定です。


作物を栽培しながら土を肥やすことがこの農法の基本となります。

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

ショウガはなかなか芽を出しませんので、 その間にメヒシバなど雑草がたくさん出て来て、 このままでは畑を占拠されてしまうのでひどくなる前に土寄せして 雑草を除去しました。株間には緑肥エビス草をまきました。
(次号に検証)

 

 


(以下は4月号に記載)
こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。


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↑サンプルデータ9 キャベツ(富士早生*購入在来種と自家種*10月直まき)
左側の列の自家種は結局99% 結球せずキャベツになりませんでした。 右側列の購入種の方は結球してきてますが、 勢いの良いとなりの自家種に圧されて引き続きいまいちです。 おまけに青虫にかなりやられてます。


結論は今季のキャベツは落第点で失敗ですが、 原因は種にあったので、 外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培としては今回判定なしです。


自家種側で結球している株は2つだけ。 これがやがて花を咲かせれば来年もまた自家種をまいて検証してみ ます。
ただ来年は購入種と自家種をとなりの合わせにしないように配置す ることに致します。

(以上、今季の検証終了)

 


(以下は4月号に記載)
左側の自家種は非常に生育が良いのですが、 トウでて花が咲いてきています。右側の購入種の方は、 左側の自家種に圧倒されて生育が悪くなっています。


キャベツは在来種でも種の採種がとても困難です。 昨年やっと採種できましたが、結球しない遺伝子のものだったか、 他の品種と交雑したのかもしれません。( 今年は購入先を変えてまた種採りにチャレンジします)


キャベツとしては失敗ですが、左側は生育が良いので、 外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培としては成功と言えます。 ただ右側の購入種はまだ成功とは言えません。


この右側の購入種は今後どうなるのか?
左側の自家種に養分をとられたかもしれませんが、 それでもちゃんとキャベツになれば大成功と考えます。


(5月号で検証します。)

 


(以下3月号に記載)
左側の自家種の方は順調な生育で、 右側の購入種を圧倒しております。こうなると自家種の方、 はたして結球できるのか? もしかしてケールなど他の品種と交雑してしまったかも?・・・ あと1ヶ月もすれば結果がでます。
(以上3月号)


(以下2月号に記載)
かなり成長してきたので、間引きを開始です。 左側の自家種が生育が良いです。右側は購入種( 両方とも同じ品種の富士早生キャベツです)になります。
種により生育がどうなるのか?も同時検証できます。

(以上2月号)


以下1月号に記載)
キャベツも寒さに強い野菜ですから、 先月から寒波が何度も来ましたが、 それでも少し成長しております。
まだ間引きをしていません。 早くした方がキャベツが成長しやすくなりますが、 春先の一定期間、 渡り鳥のヒヨドリが必ずやって来て好物のブロッコリー、 キャベツの葉を食べてしまいます。

被害を分散させるために、 3月にヒヨドリが次の地域へ行ってしまうまで、 間引きを遅らせています。
少しぐらい食べられても、 その後気温が上がるとキャベツはぐんぐん成長して再生、 復活するのが今までのパターンです。 でも時間に余裕あれば鳥脅しテープを設置した方がいいかもしれま せん。
次号に検証します。

(以上1月号)


(以下12月号に記載)
元肥えは、大豆と雑草であとは小動物、 微生物たちが援軍に加わってくれます。
順調に生育しているかんじです。 少し種を密に蒔きすぎたようですから、 間引きをしなければなりません。

越冬し、春に収穫しますから、これから厳寒期ですので、 ほとんど生育はストップする状況となります。

(以上12月号)


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↑サンプルデータ10 レタス系(購入在来種*3月まき)


苗栽培時点で種不良による発芽不良、生育不良のまま、 予定栽培数の1/7となってしまい、 定植後はヨトウ虫に食べられて、結局予定のほぼ1/ 10となってしまった今年のレタス栽培。 生き残りはわずかですがなんとかレタスになってきました。 ここまでくれば出荷レタスとしては合格点です。


でもキャベツ同様種に問題があり、 検証点数がかなり少ないこともあり、 こちらも今回判定なしと致します。
(以上今季の検証終了)


(以下は4月号に記載)
苗を畑に定植しました。予定していた定植株数の1/3以下です。 これは種の発芽率が悪かったからで、 3月号で種の発芽率が悪いので、 同じ種で3週間ずらしてまいたと記載しましたが、 この結果は前回より悪く、発芽率は20%程度、 よってこの苗栽培を断念しました。種自体に問題があるようです。 種の有効期限は今年の4月なのでぎりぎりの状態。 原因は種が古く発芽率が落ちたということになります。 種が古いということは生命力も低いことになりますから、 今後の成長に不安が生まれます。


いくら土が肥えていても種に生命力がないとろくなものにしかなり ません。
また、土が肥えて、 種に生命力があっても栽培テクニックがなければろくなものにしか なりません。


これを当園は3T(Tuchi,Tane,Tekunikku) 一体の法則と名付けます。土(肥えた土)、種( 生命力の強い健全な種)、テクニック(的確な栽培技術)、 3つのどれか1つでも欠けると良い作物はできないのです。


次回5月号で検証します。


(以下は3月号に記載)

新たなサンプルとしてレタス系(サニーレタス、グリーンリーフ、 ロメインレタス)を検証します。


スタートは苗づくりから。発芽率が非常に悪いです。(50% ほど)種が古かったのか?水やりが足りなかったのか? 真実はわかりませんが、発芽50%でも栽培は続けます。


3週間ずらして同じ種で再び種まきしております(すぐ隣)から、 こちらが発芽率80% 以上なら水やりが原因ということになります。


苗箱の土は2/3は畑の土ですが、上部の1/3(表面部分) は市販のバーク堆肥を使います。
その理由は、100% 畑の土にすると雑草がたくさん生えてきて大変なことになるからで す。バーク堆肥には雑草の種がほとんどなく、 障害なく効率的に苗が育ちます。


バーク堆肥を使うことは、 厳密にいえば外部からの持ち込み肥料ということになるかもしれま せんが、苗箱に使う土はとても少量であり、許容範囲とします。
なので外部からの持ち込み肥料100%ゼロではなく、 ほぼゼロという表現にしております。
(以上3月号)


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↑サンプルデータ11 玉ねぎ(購入在来固定種*昨年9月種まき、3月定植)

 

5月になって気温もかなり上がったのに1ヶ月前と比べ、 ほとんど成長してません。
こうなると、もはや望みはありません。完全に失敗です。
やはり今の玉ねぎは、肥料をたくさん与えるか、肥料貯蓄( 残留肥料分) のたくさんある畑でないとらっきょうみたいになることが証明され ました。


玉ねぎは肥料をたくさん与えなければ成長しないし、 そのままにすると雑草にすぐに飲まれて消えてしまいます。


これは雑草のように人間が肥料を与えなくとも力強く生きている自 然界の植物と比べ、同じ環境下に置かれたら、 玉ねぎははすぐに淘汰、 消されてしまう非常に貧弱な植物ということになります。


本来の原種の玉ねぎはそうでなかったはずですが、 人間が品種改良とかいって、人間の一方的な都合、 基準で種を変えてきたことが、 実際は品種改弱きたことになります。


このような野菜がこの農法で本当にまともな野菜に育つのか? かなりの疑問符ですが、 今回はまだ初めての検証なので来年まで地力向上対策を施し再びチ ャレンジです。


しかし外部からの持ち込み肥料ゼロで畑を自力の肥料生産工場にす るこの農法の最大肥料生産力に達した場合( 土壌分析と他の野菜との比較による)、 他の野菜は成功しているのに、 玉ねぎだけそれでもらっきょうレベルだとしたら、 これはもはや農法の問題というより、種の問題となります。


経験上、玉ねぎのような自家採種がとても困難な野菜( これまで何度も試みましたが、成功したことがありません) は肥料をたくさん与えなければまともに育たなく、雑草、 病害虫にも非常に弱いのです。


最悪このような野菜は外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培では無理か もしれませんが、とにかくやれるところまでチャレンジ致します。
また来年。

 


(以下は4月号に記載)

雑草に埋もれていては成長が妨げられるので株周りの除草を実施し ました。

 

雑草から出てきた玉ねぎはあまり大きくなっておりません。 完全に雑草に負けていたことになります。


今の玉ねぎは在来固定種でも長年の改良により、野生本能が薄れ、 多量の肥料とビニールマルチに頼る過保護栽培によらないと育たな くなっていますから雑草に負けてしまうのです。


ということは玉ねぎは自然環境に多くの負担を与える作物の1つに なります。人間の経済的な一方的都合が優先で改良すると、 副作用として生物としては弱くなることは玉ねぎに限ったことでは ありません。


なので外部からの持ち込み肥料ゼロとビールマルチを使用しない栽 培法においては最大級の難関作物です。( これに続くのがトウモロコシ、ホウレン草) これらを完全にクリアできればこの栽培法は成功したことと考えま す。


ちなみに前年、トウモロコシ、ホウレン草共に生育不良で不合格、 失敗しております。


なので今年スタートの玉ねぎも危うい状況です。 もしかしたら最悪らっきょうほどにしかならないかもしれません?


でも今年最悪だとしても来年以降今年を上回る結果を出していけば この栽培法に望みがでてきます。


来月に今年の結果がはっきりでます。


(以下は3月号に記載)

一般的な栽培では、 非常にたくさんの外部からの持ち込み肥料で栽培されている玉ねぎ 。これが外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培で問題なく育てば、 もはや敵なしの栽培法となります。


なので、かなりというかトップクラスのハードルの高い作物です。
前作はエビ芋で、 エビ芋の前年は緑肥の栽培をしておりませんから、 できはあまり良くなかったです。 もともとが肥えていない畑なのでかなり厳しい状況です。


ただ、エビ芋栽培時、周囲雑草をかなり投入したので、 どうなるのか?一般的な大きな玉ねぎはまず無理にしても、 今回はなんとかその半分ほどの大きさに育てば次につなげられます 。
(以上、3月号)

 

 

 

 

 

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

泉里農園だより 2023,05,29号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


(メールアドレス)
izumisatoyasaien@gmail.com
       

 

 

 

泉里農園ブログ23,04,28号配信致しました🌞よろしくお願いいたします(^-^)


🌰🍉🍅🍎🍆🍈🌽🍏🍓🥕🥒🥔
☀泉里農園ブログ🌻23.04,28号🍓
🍏🌽🍅🍉🍈🌰🌿🌾🌳🥜(毎月、最低1回発行)  


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↑新緑の柿と雑草とライ麦
ライ麦は冬、鹿に新芽を徹底的に食べられましたが、 なんとか復活しております。 でも手前の鹿に食べられなかったライ麦と比べると背丈は半分以下 です。でも実がちゃんとできれば良しとします。

                                                 (富士宮農場)


🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱

『4月の畑』
4月になるとどんどん気温が上昇、夏日連発、 この時期としては観測史上最速で30℃ を超える真夏日になった地域もあり、 春を通り越していきなり夏になったようでした。


ところが4月下旬になると天気は急変、気温は急降下、 霜注意報がでるほどに。
しかし長くは続かず、再び夏日となり、 これも続かずまたも気温急降下。


このような気温の極端な乱高下は、 最近の冬の天気の特長の延長線上にある気がします。


以前にも触れましたが、TVで大学の気象研究専門家の先生が、 北極の極端な温暖化が原因で偏西風の蛇行が激しくなり、 日本が蛇行の谷側に入ると北極からの寒気が入り込んで非常に寒く なり、逆に蛇行の山側に入ると太平洋の暖気が入り暖かくなる。 この乱高下が激しくなる気象になると説明してくれておりましたが 、今、春になって冬より平均気温レベルが上がったものの、 冬のその極端な変動状況はそのまま続いているような気がします。


この気温の乱高下は人間の体調に悪影響といわれますが、 畑の作物にとっても良くありません。


例えば4月の上旬頃、気温はぐんぐん上旬していたので、 これに合わせて種まきします。 気温が高いので作物によってはすぐに発芽します。 ところがここで作物が極度な低温を受けてからまた夏日になると冬 から春を通り越して夏になったと勘違いして、 急いで花を咲かす体制になります。


すると作物によってはトウが出てきますので物になりません。 春まきの大根などは大根ができる前にトウがでて花が咲くので大根 になりません。


今回の乱高下は春まきの作物にどれほどの影響となるのか? 現段階ではなんとも言えませんが、 なるべく悪影響とならぬこと祈ります。


さて、4月は春の種まき期のピークで、 夏から秋までの作物の春まきをしますが、 まだまだ5月にかけても続きます。


4月ほど多くありませんが、5月は陸稲、落花生、 キュウリの第2段、鳩麦、きび、ひまわり(緑肥)などです。 5月後半になると4月にまいた野菜苗の定植に入りますので、 その下準備に忙しくなります。


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.04,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🔆今、端境期のどん底です。


🌿《葉物野菜》
赤長二十日大根のおろぬき


🥔《根菜、イモ類》
ラディッシュ


🍀その他
ハーブ(スペアミント
ハブ茶


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
赤長二十日大根、パクチー、ふき、キャベツ、グリーンピース、 そら豆、ニラ、レタス系?(苗不良)

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、ハーブ(スペアミント)です。

 


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スペアミント
多年草なので一度根付くとじわじわと広がり、 毎年秋まで収穫できます。

 

《利用法》
ミントティー、スイーツ、アイスクリーム、カクテル、 ミントミルクなどに

 

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その12


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年以上の農業経験からはっきりと言えます。


なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物肥料を土に施し、 落ち葉なども木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 毎日多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。すなわち森林のように畑を肥料の生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、当園の畑の雑草、昆虫、 ミミズなどの多数の小動物、畑の微生物の生み出す力であり、 畑の果樹の落ち葉、栽培穀物、作物のワラ、 グズなども最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料分を元に土を肥やし、 より良い作物を栽培するという農法になります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力(大自然力) を最大限に引き出すか、ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。


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↑サンプルデータ1 トウモロコシ(自家種100%もちトウモロコシ* 3月まき4月定植)

検証2年めスタート。昨年は生育不良で落第点、失敗してます。 今年は昨年以上の成果をあげられれば前進です。 このところ気温が低いので成長が止まっている感じです。 株間に緑肥のクローバーとエビス草をまきました。 これは完全に生育してすき込んで数ヶ月しないと効かないのでトウ モロコシへの直接的な肥料ではなく、 主にトウモロコシの次の作物のためということになります。


土が痩せている畑では作物を栽培しながら同時平行で土を肥やすこ ともしなければなりません。


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↑サンプルデータ2 里芋(自家種100%*3月植えつけ)

こちらも検証2年めです。昨年は生育に問題なく、 収穫量もかなりあって合格点、成功でした。 今年は昨年並みかそれ以上の成果を得られれば大成功です。 写真は周囲の雑草を肥料と雑草よけとして里芋の上に置きました。


里芋の株間に緑肥クローバーをまきました。6月にすき込んで8〜 9月頃に効いてくれば里芋の後半生育期に良い影響を与えるかもし れません。


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↑サンプルデータ3 ショウガ(自家種100%*4月植えつけ)

こちらも検証2年めです。昨年は生育上々で、 合格点をつけました。
今年は昨年以上の成果をあげられれば一歩前進です。


里芋同様にこちらも株間に緑肥クローバーをまきました。 後半に効いてくれれば良い結果となるかもしれません。


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↑サンプルデータ9 キャベツ(富士早生*購入在来種と自家種*10月直まき)


左側の自家種は非常に生育が良いのですが、 トウでて花が咲いてきています。右側の購入種の方は、 左側の自家種に圧倒されて生育が悪くなっています。


キャベツは在来種でも種の採種がとても困難です。 昨年やっと採種できましたが、結球しない遺伝子のものだったか、 他の品種と交雑したのかもしれません。( 今年は購入先を変えてまた種採りにチャレンジします)


キャベツとしては失敗ですが、左側は生育が良いので、 外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培としては成功と言えます。 ただ右側の購入種はまだ成功とは言えません。


この右側の購入種は今後どうなるのか?
左側の自家種に養分をとられたかもしれませんが、 それでもちゃんとキャベツになれば大成功と考えます。


(5月号で検証します。)

 


(以下3月号に記載)
左側の自家種の方は順調な生育で、 右側の購入種を圧倒しております。こうなると自家種の方、 はたして結球できるのか? もしかしてケールなど他の品種と交雑してしまったかも?・・・ あと1ヶ月もすれば結果がでます。
(以上3月号)


(以下2月号に記載)
かなり成長してきたので、間引きを開始です。 左側の自家種が生育が良いです。右側は購入種( 両方とも同じ品種の富士早生キャベツです)になります。
種により生育がどうなるのか?も同時検証できます。

(以上2月号)


以下1月号に記載)
キャベツも寒さに強い野菜ですから、 先月から寒波が何度も来ましたが、 それでも少し成長しております。
まだ間引きをしていません。 早くした方がキャベツが成長しやすくなりますが、 春先の一定期間、 渡り鳥のヒヨドリが必ずやって来て好物のブロッコリー、 キャベツの葉を食べてしまいます。

被害を分散させるために、 3月にヒヨドリが次の地域へ行ってしまうまで、 間引きを遅らせています。
少しぐらい食べられても、 その後気温が上がるとキャベツはぐんぐん成長して再生、 復活するのが今までのパターンです。 でも時間に余裕あれば鳥脅しテープを設置した方がいいかもしれま せん。
次号に検証します。

(以上1月号)


(以下12月号に記載)
元肥えは、大豆と雑草であとは小動物、 微生物たちが援軍に加わってくれます。
順調に生育しているかんじです。 少し種を密に蒔きすぎたようですから、 間引きをしなければなりません。

越冬し、春に収穫しますから、これから厳寒期ですので、 ほとんど生育はストップする状況となります。

(以上12月号)


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↑サンプルデータ10 レタス系(購入在来種*3月まき)
苗を畑に定植しました。予定していた定植株数の1/3以下です。 これは種の発芽率が悪かったからで、 3月号で種の発芽率が悪いので、 同じ種で3週間ずらしてまいたと記載しましたが、 この結果は前回より悪く、発芽率は20%程度、 よってこの苗栽培を断念しました。種自体に問題があるようです。 種の有効期限は今年の4月なのでぎりぎりの状態。 原因は種が古く発芽率が落ちたということになります。 種が古いということは生命力も低いことになりますから、 今後の成長に不安が生まれます。


いくら土が肥えていても種に生命力がないとろくなものにしかなり ません。
また、土が肥えて、 種に生命力があっても栽培テクニックがなければろくなものにしか なりません。


これを当園は3T(Tuchi,Tane,Tekunikku) 一体の法則と名付けます。土(肥えた土)、種( 生命力の強い健全な種)、テクニック(的確な栽培技術)、 3つのどれか1つでも欠けると良い作物はできないのです。


次回5月号で検証します。


(以下は3月号に記載)

新たなサンプルとしてレタス系(サニーレタス、グリーンリーフ、 ロメインレタス)を検証します。


スタートは苗づくりから。発芽率が非常に悪いです。(50% ほど)種が古かったのか?水やりが足りなかったのか? 真実はわかりませんが、発芽50%でも栽培は続けます。


3週間ずらして同じ種で再び種まきしております(すぐ隣)から、 こちらが発芽率80% 以上なら水やりが原因ということになります。


苗箱の土は2/3は畑の土ですが、上部の1/3(表面部分) は市販のバーク堆肥を使います。
その理由は、100% 畑の土にすると雑草がたくさん生えてきて大変なことになるからで す。バーク堆肥には雑草の種がほとんどなく、 障害なく効率的に苗が育ちます。


バーク堆肥を使うことは、 厳密にいえば外部からの持ち込み肥料ということになるかもしれま せんが、苗箱に使う土はとても少量であり、許容範囲とします。
なので外部からの持ち込み肥料100%ゼロではなく、 ほぼゼロという表現にしております。
(以上3月号)


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↑サンプルデータ11 玉ねぎ1(購入在来固定種*昨年9月種まき、3月定植)
定植から1ヶ月以上となり、 雑草がかなり生えてきたので玉ねぎの株間を専用機械で除草をかね て耕したところです。それでも玉ねぎは雑草に埋もれています。 雑草が生えるということは他の植物も成長できることを意味してお りますから、少しは期待できるのか?


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↑サンプルデータ11 玉ねぎ2(購入在来固定種*昨年9月種まき、3月定植)

雑草に埋もれていては成長が妨げられるので株周りの除草を実施し ました。

 

雑草から出てきた玉ねぎはあまり大きくなっておりません。 完全に雑草に負けていたことになります。


今の玉ねぎは在来固定種でも長年の改良により、野生本能が薄れ、 多量の肥料とビニールマルチに頼る過保護栽培によらないと育たな くなっていますから雑草に負けてしまうのです。


ということは玉ねぎは自然環境に多くの負担を与える作物の1つに なります。人間の経済的な一方的都合が優先で改良すると、 副作用として生物としては弱くなることは玉ねぎに限ったことでは ありません。


なので外部からの持ち込み肥料ゼロとビールマルチを使用しない栽 培法においては最大級の難関作物です。( これに続くのがトウモロコシ、ホウレン草) これらを完全にクリアできればこの栽培法は成功したことと考えま す。


ちなみに前年、トウモロコシ、ホウレン草共に生育不良で不合格、 失敗しております。


なので今年スタートの玉ねぎも危うい状況です。 もしかしたら最悪らっきょうほどにしかならないかもしれません?


でも今年最悪だとしても来年以降今年を上回る結果を出していけば この栽培法に望みがでてきます。


来月に今年の結果がはっきりでます。


(以下は3月号に記載)

一般的な栽培では、 非常にたくさんの外部からの持ち込み肥料で栽培されている玉ねぎ 。これが外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培で問題なく育てば、 もはや敵なしの栽培法となります。


なので、かなりというかトップクラスのハードルの高い作物です。
前作はエビ芋で、 エビ芋の前年は緑肥の栽培をしておりませんから、 できはあまり良くなかったです。 もともとが肥えていない畑なのでかなり厳しい状況です。


ただ、エビ芋栽培時、周囲雑草をかなり投入したので、 どうなるのか?一般的な大きな玉ねぎはまず無理にしても、 今回はなんとかその半分ほどの大きさに育てば次につなげられます 。
(以上、3月号)

 


🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。


                          

泉里農園だより 2023,04,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


(メールアドレス)
izumisatoyasaien@gmail.com
       

 

 

 

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↑菜の花 満開
春の菜の花は、アブラナ科野菜(小松菜、白菜、大根、 のらぼう菜、キャベツ、ケール、かぶ、高菜、水菜など) が主体です。 これらのアブラナ科野菜でも菜の花が咲く頃は一律ではなく、 それぞれ若干違います。


小松菜、白菜、かぶなどは早く咲き、大根、 のらぼう菜は少し遅れ、次に高菜、わさび菜、 最後にケールにキャベツと続きます。


アブラナ科以外では、パクチー、人参、ホウレン草、 春菊なども春に花を咲かせますが、 パクチー以外はアブラナ科の菜の花のように食用として使われませ ん。


食用は、硬くなるので花が咲く前に摘み取ります。

                                                   (富士宮農場)

 

🍅🌾🌳☀農園便り🌱🍎🌽🌱

『3月の畑』
3月になると寒の戻りはあまりなく、気温はぐんぐん上昇↑、 春が一気にやって来た!という感じです。


桜も各地で記録的に早く咲き🌸だしました。でも、 こんなに急テンポに暖かくなるとこの先どうなるのか?


春うららもつかの間? 近年のパターンからして夏が早く来ることが充分考えられます。


そして夏が早く来るということは、 またあのむしむしのモーレツ猛暑、モーレツ豪雨、 モーレツ台風が早くやって来るということなのか?( ´△`)・・・


またあの苦難の季節がやって来ると思うとゆうつになります。 しかし今や世界各地で、 もともと人間が原因の温暖化でとんでもない異常気象が起きてます から、もはやどこにいても避けて通れません。


こうなれば気合い、根性で耐えて行くしかありません。 そして世界全ての政治家と大企業の経営者、 国民が一刻も早く温暖化ストップに本気で、 皆が動きだすことを願うしかありません。


モーレツの期間は、たぶん5,6,7,8, 9月の5ヶ月間という長帳場。昨年は作物の被害だけでなく、 あちらこちらで豪雨による土砂崩れも発生し、道が埋まり、 畑に行くことも困難になりましたが、 せめて昨年よりひどいことにならぬこと願い、祈ります。


さて、お彼岸がすぎ、 桜も満開となり春の種まきシーズンがやって来ました。 これから5月にかけてがピークとなり、 作物の性質によって時期をずらしながら種をまきます。


たとえば、じゃがいも、里芋は3月に、ショウガは4〜5月、 さつまいもは5〜6月植えつけというかんじです。


前年に栽培した作物から種を採種し、 種まき時期までしばらくカビないように保管し、 その間は畑の地力を上げて土を作り、 そして時期が来たら種をまき、育て収穫するまで、 ほとんどの作物はほぼ1〜2年かかりますから(自家採種の場合) 、 なるべく育てた作物全てが無事に育ってもらいたいのは当然です。


しかしその前に立ちはだかるのが増殖し続ける無敵の異常気象です から、どうしようもありません。なので、 全ての作物が無事に育つことは、もはや奇跡であり夢物語です。


それでもまだ今のところ、 幸いに損失率より成功率の方がなんとか勝ってますから、 これまで通りに続けられています。


ということで、 今年も異常気象はほどほど程度であることを願いつつ、 少しでも成功率の向上を望み、進みます。

 


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.03,29現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。


🔆いよいよ端境期のどん底に近くなって来ました。 4月は収穫物がほぼない状況となりそうです。


🌿《葉物野菜》
★なばなの菜の花(少)
★のらぼう菜(少)
★菜の花(少)


🥔《根菜、イモ類》
しばらくありません。


🍀その他
ハブ茶

 


🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》
ラディッシュ、赤長20日大根、パクチー、ふき、キャベツ?

 

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、なばなの菜の花です。

 


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↑なばなの菜の花
自家種100%。他の収穫用の菜の花と比べると、 もっとも長く収穫できます。勢いが良く、 菜の花の発生の多い株を優良株として選抜し、 これはほとんど収穫せず、採種用として使います。


《料理法》
さっと湯がき、お浸し、ごま和え、酢みそ和え、 そのまま適当に切り蒸し焼き、漬け物、汁物、ラーメン、うどん、 パスタの具、付け合わせなどいろいろな料理に使えます。


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その11


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年近くの農業経験からはっきりと言えます。

 

なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。
かれこれ農業を始めた頃、30年ほど前の話しです。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物が木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。森林のように畑を肥料生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、野菜、 穀物と当園の畑の雑草、昆虫、ミミズなどの小動物、 微生物の力であり、これを最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料を元に作物を栽培するという農法にな ります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力を最大限に引き出すか、 ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからで、他に野菜の苗を苗箱で一時期栽培する場合、 苗箱内に雑草を生えさせないようにして幼い苗を守り、 生育効率を上げるために、 苗箱に入れる土の表面の部分に市販の土を少量使うことがあるから です。)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ9 キャベツ(富士早生購入在来種と自家種*10月直まき)


元肥えは、大豆と雑草であとは小動物、 微生物たちが援軍に加わってくれます。
順調に生育しているかんじです。 少し種を密に蒔きすぎたようですから、 間引きをしなければなりません。

越冬し、春に収穫しますから、これから厳寒期ですので、 ほとんど生育はストップする状況となります。

(以上12月号に記載)


キャベツも寒さに強い野菜ですから、 先月から寒波が何度も来ましたが、 それでも少し成長しております。
まだ間引きをしていません。 早くした方がキャベツが成長しやすくなりますが、 春先の一定期間、 渡り鳥のヒヨドリが必ずやって来て好物のブロッコリー、 キャベツの葉を食べてしまいます。

被害を分散させるために、 3月にヒヨドリが次の地域へ行ってしまうまで、 間引きを遅らせています。
少しぐらい食べられても、 その後気温が上がるとキャベツはぐんぐん成長して再生、 復活するのが今までのパターンです。 でも時間に余裕あれば鳥脅しテープを設置した方がいいかもしれま せん。
次号に検証します。

(以上1月号に記載)


かなり成長してきたので、間引きを開始です。 左側の自家種が生育が良いです。右側は購入種( 両方とも同じ品種の富士早生キャベツです)になります。
種により生育がどうなるのか?も同時検証できます。

(以上2月号に記載)


左側の自家種の方は順調な生育で、 右側の購入種を圧倒しております。こうなると自家種の方、 はたして結球できるのか? もしかしてケールなど他の品種と交雑してしまったかも?あと1ヶ月もすればその結果がでます。
(次号に検証します)


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↑サンプルデータ10 レタス系(購入在来種*3月まき)
新たなサンプルとしてレタス系(サニーレタス、グリーンリーフ、 ロメインレタス)を検証します。


スタートは苗づくりから。発芽率が非常に悪いです。(50% ほど)種が古かったのか?水やりが足りなかったのか? 真実はわかりませんが、発芽50%でも栽培は続けます。


3週間ずらして同じ種で再び種まき(隣)しておりますから、 こちらが発芽率80% 以上なら水やりが原因ということになります。


苗箱の土は2/3は畑の土ですが上部の1/3(表面部分) は市販のバーク堆肥を使います。
その理由は、100% 畑の土にすると雑草がたくさん生えてきて大変なことになるからで す。バーク堆肥には雑草の種がほとんどなく、 障害なく効率的に苗が育ちます。


バーク堆肥を使うことは、 厳密にいえば外部からの持ち込み肥料ということになるかもしれま せんが、苗箱に使う土はとても少量であり、許容範囲とします。なので外部からの持ち込み肥料100%ゼロではなく、 ほぼゼロという表現にしております。

*引き続き、次号で検証します

 


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↑サンプルデータ11 玉ねぎ(購入在来種*9月種まき、3月定植)
一般的な栽培では、 非常にたくさんの外部からの持ち込み肥料で栽培されている玉ねぎ 。これが外部からの持ち込み肥料ほぼゼロ栽培で問題なく育てば、 もはや敵なしの栽培法となります。


なので、かなりというかトップクラスのハードルの高い作物です。
前作はエビ芋で、 エビ芋の前年は緑肥の栽培をしておりませんから、 できはあまり良くなかったです。 もともとが肥えていない畑なのでかなり厳しい状況です。


ただ、エビ芋栽培時、周囲の雑草をかなり投入したので、 どうなるのか? 一般的な大きな玉ねぎはまず無理にしても、今回はなんとかその半分ほどの大きさに育て ば次につなげられます。


写真は、玉ねぎの株間に雑草が生えてきたので、 雑草と共に耕したところです。
この雑草が追肥となります。

*引き続き、次号で検証します。

 

       

🍀🌞🌲泉里農園ポリシー


21世紀になって年月がすぎましたが、 農業を取り巻く状況はますます厳しくなる一方です。 例えば農家の高齢化や後継者不足による農業者人口の減少、 温暖化と異常気象による農作物の被害や設備の損失、 農業資材の高騰など年々悪化しております。


国(政府) がこの状況をこのまま放置し続ければ日本の農業は必ず崩壊し、 食料の全ては外国産ということになってしまいます。 これは大変危険な状況です。 なぜなら日本へ輸出している外国で異常気象や戦争などで自国の自 給分で精一杯になり、輸出できなくなった場合、 日本は食料危機パニックとなるからです。


最悪のシナリオは一時的なパニックで終わらず、 長期に渡って日本への輸出ストップが続いたら、 パニックを超えて国が崩壊することです。


現在、日本の食料自給率は30〜40%と言われます。しかし、 自給率100%とされているお米は、 それを作るのに必要な肥料のほとんどは外国産です。


また、畜産の飼料のほとんども外国産なので、 そこから出た畜糞堆肥などの有機肥料も外国産ということになりま す。もちろん野菜作りに必要な肥料のほとんども外国産です。


すなわち、日本の本当の食料自給率はもっともっと低いのです。 これでもし何かあった場合、非常に危ない状況です。


これは国(政府) がこれまで食料自給率の向上に対して効果的な対策をやって来なか った結果です。しかし国(政府)ばかりの責任ではありません。


ここ10年前からの国政選挙において、 国民有権者の約半数は選挙にも行かず、 そして選挙に行く人の過半数は、効果的な対策をしない今の国( 政府)に投票し支持してきたのですから、 我々国民にも責任はあるはずです。


では一体どうすればこの日本の危ない状況を打開できるのでしょう か? それは我々国民一人一人がそれぞれの立場でできることをやるしか ないと考えます。


我々農業者としてできることは、自給率を上げ、 できるだけ自然環境を壊さない、 人体に安全な農法を確立することと考えます。


そして自然をどんどん破壊し外国産頼みで成り立っている今の日本 の農業を変えなければなりません。 これは一朝一夕でできることではありませんが、 当園はそういう希望、願いをもとに日々研鑽、 チャレンジ精神で進んでまいります。

 

                   
泉里農園だより 2023,03,29号(毎月最低1回発行)
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(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


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↑鹿にやられた麦(大麦)
やはりやられました。若葉をほとんど全部食べられました。 たぶん昨年秋に大豆を全部食べてしまった鹿でしょう。 獣は一度味をしめると繰り返しやって来ます。ライ麦、 小麦もほぼ100%やられました。


この農場でこんなにやられたのは初めてです。 麦の若葉は再生しますので、今のところは全滅ではありませんが、 それでもかなりの減収となります。春にまた若葉が再生しますが、 そこでまたやられると全滅です。


鹿を防ぐことはとても大変です。 鳥獣ネットは2m以上の高さが必要で隙間が少しでもあるとそこか ら入り、ときには土を掘りネットの下から入ることもあるので、 防ぐことはとても困難です。


なので春になれば山にエサが増えるので、山に留まり、 里に降りて来ないこと祈るしかありません。


地元のご年配の方の話では、 昔は鹿が里に降りて来て麦を荒らすことなんてなかった、 昔は山に十分なエサがあったから、とおっしゃってました。


やはり温暖化による異常気象で山にエサがなくなったことが原因の ようです。 そのまた原因は世界各国の我々人間なので現状どうしようもありま せん。 

                                                     (南部農場)

 

 

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『2月の畑』
寒い時はかなり寒く、でもしばらくすると春のように暖かくなり、 またしばらくするとめちゃくちゃ寒くなる。 とにかく寒暖の差が激しかった今季の冬( これは温暖化による現象らしい) も終わりに近づいてきたようです。


梅はほぼ満開で、畑では菜の花が咲きだしました。 ウグイスも鳴きだして春はすぐ近くに来ています。


さあ、今年の作付けが本格的に始まります。 今年もまたとんでもない異常気象で、作物は大被害となり、 ハチャメチャにされてしまうことでしょう。


しかし、運良く被害が最小限になることを願いつつ、 昨年以上の対策をして今年もチャレンジです。


昨年特にハチャメチャにされた作物は、グリーンピース、そら豆、 ネギ、トマト、トウモロコシ、スイカ、カボチャ、越冬大根、 水菜、大豆、小豆、落花生、陸稲などなどかなりあります。


今年は少しでもハチャメチャにならないように異常気象の対策を強 化します。
たとえばネギ。 昨年はモーレツ豪雨とモーレツ猛暑でネギ苗が全滅でしたが、 今年はネギを1年ががリで栽培します。


これまでは、4〜6月(6月は自家種)に
苗床に種をまき、9月上旬に定植するパターンでしたが、 ネギの苗は針のように細く、 より猛威をふるうようになってきた7〜8月のモーレツ豪雨、 猛暑に耐えられなくなってきました。


なので今年からは、苗づくりを半年以上前だおしでスタート。( すでに昨年の10月に種まき完了)冬の間に苗を育て、 春に仮定植して、モーレツ豪雨、猛暑の頃7〜8月に掘り上げ、 日陰に干し、9月に本定植します。


こうすればモーレツ豪雨、猛暑で苗がやられることはありません。 種まきから収穫まで1年以上かかり、 手間も増えますが昨年の二の舞にならないようにするためにはこう する以外ありません。


異常気象によって森林にエサがなくなり、 里山の畑の鳥獣害はより増えております。大豆、トウモロコシ、落花生、 陸稲などは鳥獣によってほぼ全滅となりました。


今年も可能な限り鳥獣ネットなどを使って防ぐ予定ですが( 鳥獣ネットが効かない鳥獣に対しては作物を作らないか、 運まかせ)、完ぺきに防ぐことは困難です。でも、なにもしないと全部食べられてしまいます。


今年の春の作付けでこれまで栽培したことのない新たなチャレンジ作物はあまりなく、 カボチャ1品種と、 大豆は昨年鹿に全部食べられてしまい自家種が全部なくなったので 、これもこれまでやったことのない2品種にチャレンジ。 あとは昨年の作付けとほぼ同じになります。


(異常気象による)雨にも負けず、風にも負けず、鹿、猿、カラス、キジ、ハクビシンなどにも負けず、夏の暑さ、冬の寒さにも負けず・・・
美味しくて健康に良い、自然環境にやさしい、 これら全てで最高レベルの作物ができる限り多く生産できるように 常にチャレンジャー精神でまいります🌞

 


🍉🌿🍐☘🥕🌾🥔🍆🍈

✦✦今、収穫してます!✦✦
             収穫情報

🌰🍀🍅🍍🌶🌲💐🌽🍎🍏🍌

(2023.02,28現在)


🌟以下の農作物は農薬、化学肥料、家畜糞尿、 ビニールマルチを一切使わない、 自然露地栽培の大自然力農法により栽培されています。


🌟★印は自家種100%です。★50は自家種50%です。 表示ないものは全て在来種(子孫継承がほぼ100%できる種) 伝統種の野菜です。


🌟(少)の表示は、収穫量が少ない、 あるいは少なくなってきた場合です。

 


🌿《葉物野菜》
ホウレン草(少)
★なばな(少)
★のらぼう菜(少)
★菜の花(少)
★わさび菜(少)
★小松菜(少)


🥔《根菜、イモ類》
★泉里大根(少)
★50 金時人参(少)
★里芋(少)
★エビ芋(少)


🍀その他
ハブ茶

 

 

🌱《この先1ヶ月以内に新しくでてきそうな作物》


高菜?

 


😯✦今月のピカ🌟イチ❗◆


(今月旬となった収穫作物で特に元気な作物を1つを紹介します)

 


🌞今月のピカイチは、菜の花です。


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↑菜の花(小松菜)
小松菜、白菜、かぶなどのアブラナ科野菜の春夏なると出てくる花蕾で、花が咲く前に収穫します。(花が咲くと茎の部分が硬くなり美味しくないからです)


《料理法》
柔らかいので湯がく場合はさっと短時間にします。
酢味噌和え、お浸し、ごま和え、炒め物、汁物、ラーメン、 うどん、パスタにトッピングしたりいろいろ使えます。

 

 


🌞新コーナー❗🌱
『肥料自給率100%へのチャレンジ!』
その10


〈前書き〉
当園では、2019年頃から外部からの持ち込み肥料、 肥料材料の使用がほぼゼロの栽培に順次切り替えております。


でも、 ただ使用をゼロにするだけというような単純なことではありません 。これでは畑の土が疲弊してしまうからです。


外部からの持ち込み肥料、材料の使用ゼロ栽培では、 栽培する畑が以前に人畜糞尿、化学肥料、 有機肥料を長年投入していた(肥料貯蓄のある)畑では、 昔からの投入量や栽培していた作物によっても変わりますが、 何も肥料をやらなくても数年から10年以上、 作物は問題なく育ちます。


しかし、 やがて何年か経って畑の肥料分の貯蓄を使いはたしてしまうと、 たちまち作物は貧弱に育ち、やがてほとんど育たなくなります。
これは30年近くの農業経験からはっきりと言えます。

 

なのでもともとあった畑の肥料分の貯蓄を使い果たすのではなく、 逆に貯蓄を増やすテクニックが必要となるのです。


農業を始めた頃は、いろいろな農業関係の本を読みあさりますが、 他の本と全く違う、でもなんとなくもっともらしいような著書に、 「肥料はなくても作物は育つ」。その証拠は、 森林の木々は何にも肥料やらなくてもあんなに立派に育っているで はないか。と書いてありました。
かれこれ農業を始めた頃、30年ほど前の話しです。


その通りかも!確かに誰も森林に肥料なんてやってない! 肥料は不要なんだ。肥料がいらないなんてすごい画期的! 重い肥料を施さなくてすむならとても楽だし、おまけに経費削減! こんないいことないかも?これだ!やってみよう! と素人は思ってしまいます。


実際やってみたら、肥料貯蓄の少ない畑に当たり、 生育不良の洗礼を何度も受けました。


その後材料にこだわった自家製発酵ボカシ肥を使うようになりまし たが、長年自然を尊重し、 自然と共に農業をやっているとその著書に大変大きな間違い、 勘違いがあることに気づきました。


それは、 そもそも森林の木々は無肥料でなんて育ってなんていない!
実はかなりの肥料が木々に施されているのです。


森林は野生動物の住家です。イノシン、シカ、タヌキ、ウサギ、 クマ、ネズミ、モグラ、ヘビ、トカゲ、鳥類、昆虫、 ミミズなどの小動物、微生物がいて毎日、糞尿や死骸、 脱け殻などの有機物が木々に肥料として提供されています。


とくに鳥類などは種類や数も多く、渡り鳥なども来て、 森林の夜はいろいろな鳥たちが木々に泊まり、 多量の糞尿を森林に落としています。


だから明らかに森林の木々は無肥料でなんて育っていません。 なのでその著書はそもそも根本的に間違っている、 という結論になりました。


おまけに森林の木々は毎年引っこ抜いて外へ持ち出すことなんてし ません。杉、 檜など植林の森林でも50年ごととかに伐採し外へ持ち出す程度な ので、年に1〜3回収穫し外へ持ち出す農作物と比べると
格段に土の肥料分の減少率が少ないことがいえます。 だからどんどん森林の土は肥えていくのです。


エジプトのナイル川など川が氾濫すると下流に山からの栄養分が流 れてきて土が肥えて農作物がたくさんできるようになり、 それで文明が栄えたと確か小学校あたりの教科書にもでてましたね 。

 


あと、森林から始まる河川は、 雨が降ると雨水と共に森林から流れ出た有機物を海へ運び、 これが海のプランクトンを増やし、 それをねらう魚の漁場になるので
近年、 持続可能な漁業のために森林を守る活動をする漁師さんたちもでて きております。


ということからしても森林は無肥料どころか有機肥料の生産工場と なっていることは明らかとなりました。 だからたくさんの立派な木々が育っていたのです。


大自然に、森林に学べば、 当園が試みる持ち込みの肥料の使用をゼロへ、 というのは肥料を全く与えないということではないのです。


ではどうするか?というと、 肥料は大自然の力を活用して当園の畑で自ら生み出すしかありませ ん。森林のように畑を肥料生産工場にするのです。 だから肥料自給率ほぼ100%なのです。


耕作する畑を肥料の生産工場にする大自然の力とは、お日様、雨、 風、土の力を基盤に、自家種の緑肥、野菜、 穀物と当園の畑の雑草、昆虫、ミミズなどの小動物、 微生物の力であり、これを最大限に活用させていただき、 彼らが生み出してくれた肥料を元に作物を栽培するという農法にな ります。


この農法のテクニックは、いかに彼らの力を最大限に引き出すか、 ということになります。


この農法の基本は農園設立の当初から変わっていませんが、 外部からの持ち込み肥料分、材料の使用をほぼゼロにして、 100%自家生育、自家種の材料で、肥料自給率をほぼ100% にさせるというのは新しい初めての試みです。成功すれば、 SDGs推進にも役立つはずです。(ほぼ100%というのは、 もし土が酸性にどんどんなっていった場合(PH値5以下)には、 アルカリにするために外部からの石灰分の投入が必要となる可能性 もあるからです)


肥料自給率100%は、食料自給率とも密接な関係です。 例えば日本のお米の自給率はほぼ100%ですが、 お米を作るにも肥料が必要です。 この肥料が外国産なら食料自給率100%ではありません。


トウモロコシなどの畜産の飼料の9割は外国産です。 なので畜糞堆肥ももとは外国産。油かす、 大豆かすなどの肥料もほとんど外国産。 すなわち有機肥料の大部分は外国産なのです。


化学肥料は日本で作られていても、 作るのに石油などの化石燃料が使われますので、 結局これもほとんど外国産です。


なので日本のお米の自給率は100%などと言えません。


ということから、 食料自給率と肥料自給率は表裏一体のものなのです。
おまけに外国産が由来の有機肥料や化学肥料は製造から製品化、 購入までにかなり環境に負担をかけております。


しかし肥料自給率100% なら環境への負担はかなり少なくてすみます。( SDGsに役立つというのはこの点です。)


たとえば、外部からの持ち込みの肥料(化学肥料、有機肥料など) は製造時はもちろん、梱包、 輸送で多量のCO2を排出して環境に負荷をかけ温暖化させていま すが、外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% ならこの部分のCO2の排出はゼロとなります。


肥料の自給生産の主体は、緑肥、雑草を栽培することですが、 この栽培により緑肥、 雑草が温暖化の原因のCO2を吸収してくれます。


この栽培法は、未知の領域への挑戦なので当然、 失敗もあり得るますから、正直どのような結果となるか、 わかりませんが、成功を願い、生育のデータ、状況、経過、 結果を分析、発信し、 本当に外部からの持ち込み肥料ゼロの肥料自給率100% が達成できるのか? をリアルタイムで検証するのがこのコーナーです。


この試みは5〜10年のプロジェクトとなりますが、 もしある時点でまったくどうしようもなく作物が育たなくなって肥 料自給率100%は無理となれば、そこでゲームオーバー、 終了と致します。
                〈以上、前書き〉

 


🌞🌲🔆🔵〈データ編〉☘️㊗️🌱😊

これから肥料自給率ほぼ100% によって栽培する作物の実践データを公開します。 年に1度の土壌分析と合わせて、 実際にどのように生育したのか検証します。

 


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↑サンプルデータ8 ホウレン草(赤根*10月直まき)


一般的なホウレン草の栽培は、 多くの肥料が投入されているようです。 それはホウレン草が肥料食いだからです。
そんなホウレン草栽培に栽培畑で育てた緑肥と雑草、 栽培畑に生育する小動物のみの外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培で
しっかりしたホウレン草ができるのか?


これが成功すれば大きな成果となります。 これから5年間の検証に入ります。

 


ここの畑は土壌分析によると元々肥沃な状態ではありません。 なのでマイナスからのスタートですから、 かなり厳しいかもしれません。元肥えは、前作は大豆とカボチャの混作で、 その前はヘアリーベッチを栽培していたので、これが元肥えです。 追肥はなしで行く外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培です。

(以上、 10月号記載)


ホウレン草も雨なしの影響で生育が遅れていますが、 一部良く生育しています。
来月は収穫期なのでどうなるか?
(以上、11月号記載)

 

収穫スタートしてますが、生育はあまり良いとはいえません。 ここの畑は日当たりが悪く、 もともと特に肥えてないエリアなのでこんなもんかもしれませんが 、次回に検証します。
(以上12月号記載)


1月になっても状況にほとんど変化ありません。 寒波の影響はありますが、やはり10月〜 11月の雨なしがかなり響いていると考えられます。


雨なしでも、 外部からの持ち込み肥料が潤沢に入っていれば少しの雨で短期間に ぐっと成長しますが、 持ち込み肥料ゼロで元々肥えてない畑では成長はゆっくりになりま すから、厳しい結果になったと考えられます。


しかし畑にホウレン草に必要な肥料成分がたとえ少なくても一定量 ぎりぎりあれば、これから気温が上がり、 雨が降ればまだ成長する可能性はあるかもしれませんので、次号( 2月)に検証します。
(以上1月号記載)


3月も間近になって気温も上がったのにあい変わらず生育はパッと しません。
ホウレン草にはやはり肥料分が充分でなかったかもしれません。 この畑はもともと肥えてなく、 外部からの持ち込み肥料ゼロ栽培も昨年からスタートのエリアなの で、まだ緑肥による効果はでてないと考えられるので、 今年秋の作付けに望みを繋げたいです。

 


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↑サンプルデータ9 キャベツ(富士早生*10月直まき)


元肥えは、大豆と雑草であとは小動物、 微生物たちが援軍に加わってくれます。


順調に生育しているかんじです。 少し種を密に蒔きすぎたようですから、 間引きをしなければなりません。


越冬し、春に収穫しますから、これから厳寒期ですので、 ほとんど生育はストップする状況となります。
(以上12月号記載)


キャベツも寒さに強い野菜ですから、 先月から寒波が何度も来ましたが、 それでも少し成長しております。


まだ間引きをしていません。 早くした方がキャベツが成長しやすくなりますが、 春先の一定期間、 渡り鳥のヒヨドリが必ずやって来て好物のブロッコリー、 キャベツの葉を食べてしまいます。
被害を分散させるために、 3月にヒヨドリが次の地域へ行ってしまうまで、 間引きを遅らせています。

 

少しぐらい食べられても、 その後気温が上がるとキャベツはぐんぐん成長して再生、 復活するのが今までのパターンです。


でも時間に余裕あれば鳥脅しテープを設置した方がいいかもしれま せん。
次号に検証します。

(以上1月号記載)


かなり成長してきたので、間引きを開始です。 左側の自家種が生育が良いです。右側は購入種( 両方とも同じ品種の富士早生キャベツです)になります。


種により生育がどうなるのか?も同時検証できます。
次号に検証します。


                            
泉里農園だより 2023,02,28号(毎月最低1回発行)
(編集、発行)泉里農園


(農園所在地)静岡県富士宮市山梨県南巨摩郡南部町


(メールアドレス)
izumisatoyasaien@gmail.com